2021年12月28日

屋根葺き替え

屋根は日差しや雨風から家を守る重要な役割を担っています。常に厳しい自然環境の中で住む人を守ってくれる屋根は消耗が激しく定期的なメンテナンスが必要です。もし補修工事などでは間に合わないほど下地が傷んだり、雨漏りしたりしている場合は「葺き替え」と言うリフォームが必要です。

屋根工事の中で大型リフォームと言えば屋根葺き替えと屋根カバー工法が挙げられます。いずれも屋根材を新設するリフォームですが、工期やコストの違いがあるなどそれぞれにメリットやデメリット、特徴があります。 屋根葺き替えやカバー工法を検討するタイミングとしては経年劣化により屋根が寿命を迎えてしまった、雨漏りなどの不具合が補修では解決に至らないといった事情があるケースがほとんどです。

いざ屋根をリフォームしようと思っても、「葺き替え?」「カバー工法?」どちらを選択してよいか分かりませんよね。また部分補修などと違い大きな費用の負担もかかりますし、住宅ローンが残っている方々が大多数で慎重になってしまいますよね。 屋根葺き替えと屋根カバー工法の違いをご説明させていただきます。

屋根葺き替えやカバー工法を検討するタイミング

屋根材や下地には寿命があります。何十年も住む中で必ず屋根葺き替えやカバー工法といった屋根リフォームを行わなくてはならないタイミングが訪れます。

  • 既存屋根材が寿命を迎えている 雨や風、紫外線などの自然の影響を最も受けやすいのが屋根です。そうした自然の影響をもろに受ける事によって経年劣化を進めています。つまり寿命に少しずつ向かっていることです。スレート屋根であればひび割れや反り、金属屋根(トタン)であれば錆びやそれによる穴あき、セメント瓦であれば割れや欠けなど屋根材によって症状は様々ですが確実に寿命が訪れます。このような症状が現れたら自然災害からお住まいを守ることが困難になります。
  • 屋根材の寿命  ・いぶし瓦30~50年 ・セメント瓦、モニエル瓦30~40年 ・スレート20~25年 ・アスベストシングル10~20年 ・トタン15~20年 ・ガルバリウム鋼板25~35年  (屋根材の寿命は環境によって異なります。メンテナンス不足はそれ以下)
  • 雨漏りが発生しした場合 全ての雨漏りに葺き替えやカバー工法が必要になるという訳ではありません。被害状況によっては部分的な補修で済むケースもあります。たとえば、台風、強風といった突発的な自然災害によって屋根の一部が壊れた場合は被害ヵ所の修繕のみで解決することもあります。 しかしそうした雨漏りではなく新築から15年から20年経ったある日経年劣化による不具合ヵ所から突然雨漏りが始まった、また直しても直して雨漏りが再発するといった場合は屋根に不具合があり、屋根全体に及んでいる可能性があるのです。

屋根葺き替えとは

  • 既存の屋根を撤去解体し新しい屋根に葺き替える事です。屋根材だけでなく野地板や防水シートといった下地も新しくなります。 野地板の状態や予算の都合により屋根材と防水シートのみ新設される事も可能です。
  • 下地木材の垂木や野地板補修や補強、浮き上がっている釘やボルトなどの固定金具等を締め直し強化します。

カバー工法とは

既存の屋根をそなまま残し、その上に新しい屋根を載せて覆うこと。ほとんどの場合、軽量の金属屋根(ガルバリウム鋼板)を使用します。

屋根葺き替えのメリット

・新しい屋根になるので次のメンテナンス期間が長くなる  ・屋根材を全て取り外すので防水シートや野地板といった所まで補修やメンテナンスができる  ・これまでの屋根材と違うものも使用出来るので外観を一新しイメージチェンジ出来る ・断熱材を入れることが出来、断熱性防音性が向上する。

デメリット

・屋根リフォームの中でも大規模な工事なので費用がかかる ・工期が長い ・既存の屋根材を廃棄する為廃材が大量に出る。その処分費用がかかり特にアスベストを含むスレートは高額。 ・工事中、結構な埃が出る。

既存の屋根を撤去し屋根材を新設しますから重たい屋根から軽い屋根へと葺き替えを行えばその差分の重量、屋根が軽くなるので建物の耐震性が向上します。

カバー工法のメリット

・廃材がほとんど発生しない、廃材が少ないため廃材処理費がほとんどかからない ・工期が短い ・二重屋根になるので断熱性と遮音性が向上する

デメリット

・瓦屋根には施工できない ・太陽光発電などの設置が難しくなる ・屋根の重量が(少しだけ)ます ・屋根の劣化によっては施工できない

屋根の吹き替えそれともカバー工法

住宅ローンを30年前後組まれている方々が大多数です。そんな中で大規模な屋根リフォームは苦渋の決断だと思います。自然災害によって屋根が破損した場合は火災保険の適用になりますが、経年劣化などの雨漏りがなどは頭を抱えてしまいますね。 カバー工法でも十分な場合がほとんどです。屋根の重量が少しましますが、耐震性が半減するということではありません。ただし下地材がしっかり機能している場合です。 重い瓦屋根や雨漏りが激しいやねは葺き替え工事をお勧めします。下地材を補修や補強する事で屋根全体のきしみもき強化できます。 既存の屋根よりも新設屋根を軽い屋根材を使用すれば耐震性が向上します。重量が軽くなる事で建物の柱や土台、基礎などの負荷が軽減されます。重心が下がる事のよって二階の揺れも多少軽減されると思います。 吹き替え工事には費用的な部分が最大のデメリットだと思います。しかしやねの不具合や不安を解消し、かつ耐震性を向上させてくれる吹き替えはデメリット以上にメリットが大きなリフォームではないでしょうか。