2022年01月31日

屋根の構造

建物を守る屋根、風雨にさらされ過酷な環境から大切な建物を守っています。屋根の形は様々な形があります。一般的に見られる2面の屋根、4面以上多面体屋根など色々あります。基本的に屋根は斜めになっていて雨水が下に落ちるようになっています。そんな屋根の内部構造を考えた事はあるでしょうか?日頃目にしない屋根の形状、構造を少し理解すると雨漏りの原因や雨漏りの可能性が解ることがあります。常に警戒しなくてはならない地震や台風などの強風や豪雨は屋根に大きな被害をもたらします。それと日々の気温の寒暖差や紫外線などで少しずつですが屋根や外壁はダメージを受けています。突然発生した被害や不具合に慌てない為に屋根の構造のことを知っておくことが大切です。

屋根と聞くと「瓦やスレートや金属」を思い浮かべると思いますがこれらは、仕上げ材です。素材によって機能性や特徴が違いますが、屋根の表面なのです。屋根は決して屋根材だけで建物を守っている訳ではありません。屋根内部の部位などを知っておくと万が一の時に役立つかもしれません。新築・リフォーム・災害による修理等の業者のとの打ち合わせや見積の説明に理解しないまま話が進んでしまうと、納得出来る結果に至らないかも知れません。

屋根を構成する部材と部位

  • 小屋組み(こやぐみ) 小屋組みとは屋根のベースになる骨組みのことを指します。屋根の形を決定づけるものなので、小屋組みがないと屋根を施工出来ません。
  • 小屋裏(こやうら) 小屋裏とは屋根の構造の内部の事を言います。屋根裏とも言います。三角の切妻屋根では三角の屋根裏になります。小屋裏の換気状態によっては小屋裏内で結露が発生し下部屋の天井や壁が濡れてシミになり、雨漏りと勘違いされる場合もあります。 このスペースを利用して屋根裏部屋や収納スペースとして活用する事もあります。{あまりお勧めは出来ません}
  • 小屋束(こやつか) 小屋束とは小屋裏を構成する「束」のことです。小屋裏を支えるように一定の間隔に配置されており屋根を支える重要な役割を果たします。
  • 棟木(むなぎ) 棟木とは屋根の一番高い所にある屋根の背骨のやうな部材です。屋根のてっぺんにある部位で屋根の構成の中でも重要な部位です。
  • 垂木(たるき) 垂木とは棟木から地面に向かって斜めに組まれる木材のことです。屋根の傾斜を付ける木材で野地板を乗せる為に大切な部位です。どんな屋根でも必ず設置おり屋根の荷重を支える役割があります。一般的に455㎜(1尺5寸)間隔で設置されています。屋根材の固定などもこの垂木に固定することにより屋根の強度向上につながります。
  • 野地板(のじいた) 垂木の上に設置してあるのが野地板です。以前は18cm位の幅の板が使用されていましたが近年は厚さ9㎜又は12㎜の構造用合板(1800㎜×910㎜)が使われています。耐震性が求められる現在では12㎜以上が標準です。防水シート、屋根材を設定する為の土台となる部分です。 野地板の耐用年数は20年~30年である為屋根の吹き替え時に屋根材と合わせてメンテナンスをお勧めします。小屋裏の換気状態によりますが、換気が不十分な場合は野地板の腐食や劣化が早いです。
  • 防水紙(ぼうすいし)防水紙とは防水シート又は一般的にルーフィングと呼ばれるもので、野地板の上に敷くシートのことです。実は雨から室内を守ってくれているのはこのルーフィングが大きな役割を果たしています。屋根からの雨漏りを防ぐ最終防衛線です。 多くの人は屋根材が割れたり、外れたなどの不具合が起こると即雨漏りが発生すると思う方が多いのでしょうが。屋根材の不具合があってもルーフィングしっかりと適切に施工されて機能していれば多少の雨では雨漏りを防いでくれます。(カラーベスト)の場合、屋根材固定釘の廻りから雨水が浸みこむ事が多々あります。 この防水紙・ルーフィングを2次防水といいます。  逆に屋根材の破損や不具合に気付かず長年にわたり放置しておくとルーフィングの劣化と共に雨漏りが発生すること多いでしょう。防水紙は一般的にアスファルトルーフィングから改質アスファルトルーフィングや粘着タイプのものなど種類が多く、最近は遮熱タイプものもあります。
  • 屋根材(やねざい) 屋根材は仕上げ材として防水紙の上に葺かれているもので皆さんが目にする屋根の表面です。風雨にさらされ紫外線も常に浴びているので、紫外線や風雨に強い材料など色々な種類があります。 屋根材は住まいの外観だけではなく、最大の役割は屋根の1次防水、なのです。1次防水とは、屋根材が受けた雨水を適切に雨樋まで受け流す役割ですが、屋根の防水はこの屋根材の1次防水、と万が一屋根材の内部に雨水が侵入してもルーフィングによって雨漏りを防ぐ2次防水で守られています。屋根材の種類は様々でそれぞれ特徴があり、メリット、デメリットが有りますが以前のブログでご説明させて頂ていますので、そちらも参考ご覧ください。屋根材の種類別に防火性の高い順に・金属屋根(立平葺)>(平葺)>スレート屋根(カラーベスト)>瓦屋根です。瓦屋根の場合は瓦の割れやズレに要注意です。スレート屋根は屋根材の割れやズレ表面劣化などによって釘のからの浸みこみに注意です。

屋根はこのような部位や部材によって構成されています。さらに「棟」や「鼻隠し」「破風」などの部位もありますが、こちらも以前のブログにてご説明させて頂きましたのでご参照ください。

新築やリフォーム又は修理などをご検討されている方は、この様な構造のことを知っておくと業者の営業方の説明が適切なのか又、その業者を信用しても良いのか判断することが出来ると思います。(無知な営業さんは専門用語や構造の突っ込まれた話をして回答を求めると、あやふやな返答する方がいます。この様な場合、経験不足かプロ意識が低いか?なのでご注意してください。見積書に必要無い項目が入っていないか?必要な項目が入っているか?説明を受けてください。)