2022年06月30日

屋根は重たい屋根を使用?軽い屋根を使用?

日本建築に多く使われてきた日本瓦、カラフルな洋瓦、カラーベスト(ころにある)と呼ばれるスレート瓦、ガルバリウム鋼板などの金属屋根、ルーガや鉄平という商品名のハイブリッド軽量瓦など、住宅街を見渡すと様々な仕上がりの屋根を見ることができます。それぞれの屋根がどれくらいの重量があるかご存知な方少なく、大半の方は知らないと思います。また興味がない方も多いかと思いますが知っておくと少し為になるかも知れません。

屋根を仕上げている屋根材ごとに重量は異なります。そこでおおよそ単位重量をまとめました。

  屋根材1枚当たりの重量 屋根材1坪当たりの重量 屋根材20坪当たりの重量
日本瓦 (土葺き) 約3,0㎏ 約240㎏ 約4800㎏
日本瓦 (瓦桟葺き) 約3,0㎏ 約160㎏ 約3200㎏
モニエル瓦 約4,5㎏ 約150㎏ 約3000㎏
スレート瓦 (カラーベスト、コロニアル)

約3,5㎏

約70㎏ 約1400㎏
ハイブリッド軽量瓦 約3,0㎏ 約70㎏ 約1400㎏
ガルバリウム鋼板 約2,0㎏ 約18㎏ 約360㎏

それぞれ1枚毎の働き寸法か違うので瓦材は大量の枚数を必要としますが、ガルバリウム鋼板は1枚の大きさも長尺な為少ない枚数かつ軽量となります。

日本瓦ではおおよそ5tもの重量があります。かなり多くお宅で採用しているスレート瓦(カラーベスト)ではおおよそ1,5tと日本瓦の1/3以下であることが解ります、そして近年脚光を浴びて新築でも採用していることが多いガルバリウム鋼板屋根になりますと日本瓦の1/6以下にまで軽量になります。家の一番高い位置にある屋根が重たい状態は地震などで家が揺れる屋根の重みで左右に大きく揺れる理屈を理解する事ができます。阪神淡路大震災をきっかけに建築基準法が見直され耐震性が強化された設計となり、同時に屋根の軽量化もすすみまして。 もちろん重たい屋根だから「地震に弱い」「耐震性が悪い」という訳ではありません実際に重たい屋根を使用する場合はそれ相応に耐震性が強固な作りになるのが一般的で問題ありません。しかし、築年数が長く耐震基準に満たない建物の多くあります。外壁や基礎にひび割れが生じている場合は軽量の屋根に葺き替えをが検討してみてください。また耐震構造で丈夫な基礎だとしても地盤がしっかりしていないと意味がありません。農地から宅地変更た土地を区画整理た分譲住宅などで地盤改良をしていない場合は基礎工事を行う前に対処した方が良いでしょう。昔は沼地だった地域や水捌け良くない地域は大雨時の地盤沈下や地震時の液状化現象でより大きく沈下する場合があります。

重たい屋根と軽い屋根どっちが良いの?

重たい屋根でも新築時は問題なかったとしても数年経つとどうでしょうか?実は将来的には軽い屋根に葺き替えた方が良いケースもあります。 年数が経過すると建物も劣化します、そう経年劣化ですね。特に定期的なメンテナンスを怠れば、よりその速度は高まります。劣化状態によっては耐震性が低下しているケースがあり、重たい屋根はかなりの負荷がかかります。 特に下記の症状が見られる場合は注意が必要です。

  • 雨漏りよる躯体腐食  柱・梁・桁・垂木・野地など木材が濡れて腐食したり強度低下
  • シロアリの発生   玄関口や土台や浴室などシロアリに木材が食われると強度が著しく低下  
  • 基礎のひび割れ・損傷   屋根や躯体の重量を均等に受ける事ができなくなります

屋根の重量は常に下にかかっていますので相応の骨組みと、支える基礎がであれば重たい屋根でも永く維持出来ると思います。日本古来の建築物の神社仏閣は永年に渡り健在です。良質な建材を使用し、通気性が間取り構造になっているためかもしてません。実際に一般住宅ではコスト的にも実生活的にも厳しいと思います。コストを抑え、長い目で見れば軽量屋根の方が良いでしょう。

軽い屋根に葺き替える際の注意点

軽い屋根リフォームするのであれば、現在の瓦を撤去して新たに軽い屋根に葺き替える「葺き替え工事」が基本です。葺き替えと言っても「下地の野地板」をどうするかによって重さが変わってきます。野地板を「増し張り」する工法と「張り替える工法」と2種類あります。野地板の重さは、一般的12㎜厚のもので「約8㎏/㎡」です。この野地板を増し張りすると新しい屋根材に野地板の重さがプラスされるため注意が必要です。

  • 葺き替え工事・野地板増し張り  メリットは張り替える手間や廃材処理費が抑えられる、増し張りする事で下地の強度が上がり多少の断熱性が上がります。また野地板を剝がすと垂木を痛めてしまう事があります。 デメリットは屋根材の重さに野地板の重さがプラスされます。 増し張り工法でスレート屋根を採用すると瓦屋根に比べると軽いけど少し近づいてしまいます。この重さの点がリフォームでガルバリウム鋼板が選ばれる1つの理由です。
  • 葺き替え工事・野地板張り替え  メリット、デメリットは増し張り工法の逆となります。

まとめ

屋根の重さは地震に関係はしていますが「重い」からと言って「耐震性が悪い」という訳ではありません、相応の構造躯体がしっかりしていれば問題ありません。ですが経年劣化で耐震性が低下する事もありますので、心配な方は屋根リフォームを検討しても良いかと思います。屋根が全ての耐震性を担っている訳ではないものの、屋根の軽量化により耐震性アップ期待は持てます。 重たい屋根を使用している場合は、金属屋根などの軽い屋根にリフォームするのも1つの選択だと思います。