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金属瓦 ガルバリウム鋼板

金属瓦とは、鋼板.アルミニウムなどの金属で作られた屋根の瓦です。正確には瓦の形のように金属の鋼板をプレス加工した屋根材です。 瓦の原材料としては、数種類あり粘土や陶器・スレート・石・金属などがありますが、金属は薄く出来るので、最も軽量でである特長があり、近年では広く使われています。 金属瓦のうち多くが鋼板であり、中でもガルバリウム鋼板が耐久性の高さで有利なので多く使われています。 ガルバリウム鋼板はアルミニウムと亜鉛の合金を鋼板の両面にメッキして、さらに表面処理や特殊塗装仕上げした鋼板で、耐久性を飛躍的に向上させたものです。アルミニウムの長期耐久性と亜鉛の犠牲防食作用および自己補修作用により長期にわたり鋼板の錆びを防止します。

金属瓦の使用用途

金属瓦は軽量で地震に強く耐久性や加工性などの長所があり、住宅をはじめ事務所・工場・店舗などの、あらゆる建築物の屋根に使われています。 住宅では日本瓦のような伝統的重厚な風格なものや、モダンな新鮮さを加えた雰囲気が出る、和風・洋風どちらにも使用出来るものがあります。 金属瓦は粘土瓦の約1/10またスレート瓦の約1/3の重さであり、屋根の支持材も簡略出来るので、トータルコストを抑えることが出来ます。 地震の時の揺れに強く出来るばかりでなく豪雪耐力を上げる対策にも対応出来ます。

金属瓦の特徴 メリット・デメリット

  • 金属瓦の特徴  見た目的な特徴は大きく分けて2種類で、和瓦風と洋瓦風のものがあります。和瓦風の製品は455㎜の幅で棟から軒先まで1枚の鋼板で葺き上げる縦葺きの製品と、働き幅が350㎜程で有効長さ1360㎜程の鋼板を横方向に1段づつ葺き上げていく製品の2種類です。洋瓦風の製品は横方向に1段づつ葺き上げていく製品になります。使用鋼板はガルバリウム鋼板・カラーステンレス鋼板・ジンカリウム鋼板です。一般的にはガルバリウム鋼板を使用する事が多いでしょう。
  • メリット  ①金属瓦は従来の和瓦に比べて重さか1/10程度と非常に軽いです。そのため屋根材を金属瓦にする事で耐震性の向上とコストカットが見込めます。 ②金属瓦はメンテナンス費用が安く抑えられます。金属瓦は耐久性に優れているため20年前後に1度のタイミングで塗装すれば良いとされています。(私見ですが、ガルバリウム鋼板などの金属屋根材の塗装はお勧めしません。鋼板を塗装してもマイナスでしかないと思います。)  ③棟や壁際の雨押えなどの雨仕舞部分の役物が本瓦の場合は下地に土や漆喰などを使用するため、劣化と共に役物部分が崩れたり漆喰がボロボロになるのでこまめな補修が必要ですが、金属瓦は下地材に木材や樹脂の下地材を使用し役物も同質のガルバリウム鋼板わビス止めするので役物部分の耐久性も向上します。

デメリット  ①金属瓦のガルバリウム鋼板が主ですが、鋼板の厚みが0.35㎜・0.4㎜・0.5㎜とあります。屋根材形状のよって違うのですが和瓦風は0・5㎜、洋瓦風は0.4㎜が使われています。 0.5㎜の厚い鋼板を使用しても物がぶつかると凹みます。施工中の凹みは施工者の責任になりますが、台風や強風時の飛散物による凹みがごく稀にあります。(瓦のは割れるが金属瓦は凹むと思って頂ければ良いでしょう。)  ②本瓦よりも金属瓦は断熱は落ちます。金属なので熱を吸収するのは避けられません。  ③費用が瓦屋根よりかは安いが平葺の金属屋根より高い。金属屋根としての㎡単価が他の金属屋根材に比べると高いです。

デメリットは施工方法しだい

デメリットは、ある意味デメリットではなく、対処法しだいでメリットになります。 デメリットとして述べた3項目はあくまでも金属瓦本体のみで施工した場合です。 凹みや断熱性に関しては続きがあり、和瓦風の製品は凸凹が大きく、施工時に上に乗るだけでも凹む時もあり、細心の注意をし作業をする事になります。建物の形状により下屋根がある場合は、下屋根の上に足場架設を行う事があります。この場合は2階の施工を終えたから下屋根の施工を行うなどしなければなりません。足場の養生をしても凹んでしまう事が多々あるからです。 しかし金属瓦材と同形状の専用のバックアップ材があり、金属瓦材の下に入れることで凹み強化対策としてだけではなく断熱対策としても高い向上性が見込めます。 あくまでもオプション製品ですので、使用されるかは任意になりますが、金属瓦材とバックアップ材はセットと考えて良いと思います。 このバックアップ材は高耐久の物で厚みがあり、固い発泡スチロールの様な素材ですので、金属瓦材強化だけではなく断熱性や遮音性の向上のためにも使用は強くお勧めします。

洋瓦風の金属瓦のジンカリウム鋼板とは

ジンカリウム鋼板とはガルバリウム鋼板とほぼ同じ鋼板で、外国産の鋼板になります。 日本ではジンカリウム鋼板として販売されている鋼板の組成を日本JIS規格に当てはめると、ガルバリウム鋼板とがります。国により呼び名が、各国の特許申請時の呼び名が違うからだと思います。 

ジンカリウム鋼板は外国産の鋼板で、表面処理に石粒が(天然石)付着しています。そのため日本では石粒付き鋼板の事をジンカリウム鋼板として認知されつつあります。 主な製進国は韓国・ニュージーランド・中国です。 洋瓦風の金属瓦材でジンカリウム鋼板を使用している屋根は外国産の製品を使っていることになります。 (主に韓国製が8割以上だと思います。)  石粒付きですので、積雪地域では落雪防止に特化した製品であると言えます。錆びに強い事もあり、沿岸地域での採用率が多くなっています。

万能的なジンカリウム鋼板ですが、デメリットもあります。 石粒付きがゆえに、雨水の流れが緩やかでホコリなどが貯まりやすく、コケが生えやすい製品でもあります。山間部地域や河川敷付近では枯れ葉や砂埃の蓄積により、コケが生えやすく汚れや劣化が速まる可能性があります。 一番多いクレームとしては、石粒が取れてしまい、雨樋の中で溜まって詰まってしまう事があります。この場合はコケが生え前に石粒が取れてしまう事が多く、屋根材の色褪せも速まります。 メーカーでは、30年~50年などあいまいな保証期間を提示していますが、輸入元の代理店が補償するのか?製造元の外国業者が製品保証を負うのかは、定かではありません。製造元の外国業者が補償をするとは思えませんよね。(K国なら) 施工後20年前後の屋根を見た事がありますが、石粒が取れて、色褪せや錆びが広範囲で確認されました。 20年前と比べて現在では製造技術進歩しているので現在製品に関しては高い耐久性があると思います。

 

瓦屋根 推しの年長者様へ伝えたい

家を丈夫で長く持たせたいという意味で屋根材に何を選ぶか?というのはとても重要です。 瓦をお勧めされるお父様方(お爺様)のお気持ちはよく分かります。そりゃそうですよ何と言っても伝統というか歴史間のが違いますからね。一方で金属屋根 ガルバリウム鋼板なんて流行ってきたのはここちょっと前の感覚ですものね。物としては何十年も前にあったんですが世間に周知されてデザイナーの人も使う様になったのは最近の事です。それを見たら年長者のお父様方にしたら、子や孫が新築やリフォームを検討している時に家づくりに失敗させたくないからと瓦を勧めるのはよく分かります。それを踏まえて瓦屋根がどんな屋根か考えてみましょう。

瓦屋根とはどんな屋根

  • 昔の瓦屋根  柱が立って梁が横に通りその上に垂木という角材を上から下に流してあってその上に野地板という板を貼って、そして野地板の上に防水になるもの水を切っていくものを貼ってそして瓦を葺いていくという形でやってました。 これは今でも基本は変わらない。変わらないですが、昔と今が違った事がポイントになります。昔は違ったところは野地板がバラ板といって10~12cmくらいの幅の板を使用していました。野地板1枚毎に少し隙間を開けて張っていました。この上に昔は(極端に昔過ぎますが)とんとん葺きという工法を行ってました。もう50年程昔に廃れというか世の中からだんだん消えていった工法です。とんとん葺きの特徴はサワラの木という木がありまして、それを薄く削いで板みたいなやつを並べて1枚1枚細かく重ねて鱗のように張っていく工法です。ちなみになぜとんとん葺きと言うかは、1枚1枚細かく釘でとんとん打ち付けるからその様を用いてとんとん葺きと呼んでいたらしいです。この作業はとても手間がかかり根気のいる作業なため昔はとんとん葺き職人がいたらしいです。 このとんとん葺きの上に初めて瓦桟を打ち瓦を引っ掛けて瓦を葺いていた。この野地板の隙間ととんとん葺きの毛細管現象を利用した水を切りが最高パフォーマンスをしてくれます。
  • 現在の瓦屋根  柱が立って梁が横の通りその上な垂木という角材を上から下に流しその上に野地板を張って防水紙を張ります。その上に瓦桟を打ち瓦桟に瓦を引っ掛けて釘打ちして葺きあげます。現在では野地板は3尺×6尺8(910×1820)の構造用合板を使用し防水はアスファルトルーフィング又はゴムアスルーフィングを使います。

昔の工法が非常に理に適ってたのはなぜか

下地の丈夫さを維持する最大のポイントは通気なんですよね。 屋根材と下地材、屋根裏に空気が上下に通るのがポイントで、昔の工法は野地板隙間があり、そしてその上のとんとん葺きも板の薄いのを重ね重ねなので当然すきまから通気出来るのです、ということは木材が腐りにくい。 現在のルーフィングは防水紙でベタっとした平面で連続して張って水を1滴も漏らさないという形を基本にしていますけど、とんとん葺きは漏れるとかじゃなくて水が切れていく、流れてどんどん軒先に切れていくことの防水なので収まり防水なんです。 一方で現在はシート防水みたいな感じです。 昔は高気密高断熱とか関係ないから換気し放題でそれが躯体を長寿命にする最大のポイントだった。それに合わせて瓦を乗せたら尚良いってことで昔の人はこれこそが最強の屋根って事ですごく重鎮したわけです。

施工方法による寿命の変化

一方で時代が瓦葺も変わってきました。垂木までは一緒です、でも野地板がコンパネ・構造用合板を使用するので基本的に隙間なく張るので通気は非常にしにくくなります。その上にはルーフィングを敷きます。アスファルトルーフィングやゴムアスルーフィングなど、これは耐久性が10~20年程あるがこのルーフィングが効いている時に関しては非常に防水性能が高いので下地が傷むことは少ないが劣化してきたら多少の雨染みが発生します。多少の雨染みがあってもいいんですよ、1滴でも漏れたらダメと思われますけど、多少入っても乾いていけばいい。つまり野地板とルーフィングの間が空気が通ってくれたら本当はいいんですが残念ながら現在の施工ではほぼ通らないので結果、通気力がないので野地板の寿命は短かい。 瓦自体の寿命は長いが瓦と野地板や垂木の間の通気に関してはパフォーマンスが落ちている。瓦は素晴らしいんだけども昔の工法ほどの耐久性が現在の工法であるかと言うと微妙です。なぜ昔の工法が廃れたかというと地震の問題や施工の無理・ムラみたいな事もあり現在に至る。

瓦屋根のターニングポイント

瓦屋根はダメじゃんって思われるきっかけは1995年の阪神淡路大震災の時です。あの時に屋根に土いっぱい乗せて瓦を葺いていた瓦の土葺きという工法の木造家屋が潰れました。瓦は重たいのでその重たい瓦を乗せて十分な壁量が取れていない木造住宅は危険だねぇと言われ始めたのがきっかけです。瓦自体は耐久性ががあるけど重たいということはデメリットとして知っておいていただきたい。 昭和時代の日本家屋は一部屋が大きく部屋と部屋の境目に壁が無かったり続き部屋の様な間取りで柱の数や筋交いの箇所も外壁廻り重視で建物の中心は強度に不安がある家屋が多かったのも大きな原因です。1995年以降1995年以降、屋根の比較基準が長寿命から屋根の重たい軽いに変わりました。近年でも様々な震災が起きていますが、倒壊家屋のほとんどが瓦屋根の古い家屋です。耐震基準を満たしていない事が原因でしょう。壁量不足や基礎の弱さと瓦屋根の葺き替えを同じ瓦で葺き替えたからでしょう。軽い屋根材の葺き替えれば倒壊は回避出来たかもしれません。 もう一つは近年では屋根の2次利用として太陽光発電を乗せるお宅が多くなりました。その時に瓦屋根でも出来るんですけれども瓦は特殊な架台だ乗る様な又は特殊加工をした瓦もあるのでそれを使えばいいんですけども、それに比べたらガルバリウム鋼板の方はキャッチ工法ということで結構簡単に出来るところもあって、太陽光発電との親和性があるということです。

まとめ

瓦を推しの方に言いたいのは、昔の長い歴史の中で瓦の信頼性という中で工法の変化で通気や2次防水の点に関してアプローチしなかったら100%の瓦のパフォーマンスは出にくいということは判断材料にある事を知っておいてほしい事と瓦屋根を選択のであれば重たいということでそれのあう耐力壁の配置や基礎の強化をしっかりとやっておいて頂きたい。そしてガルバリウム鋼板に関しては、どうもまだ誤解があるようで、カラー鉄板を想像されてしまう方が結構いらっしゃる。ガルバリウム鋼板とカラー鉄板を比べると素材そのものが違います。まあ見た目は同じですが、カラー鉄板はメンテナンスをすれば15~20年ぐらいの感じですが、ガルバリウム鋼板は長く25~30年と言われている事を知っておいて頂きたい。(ガルバリウム鋼板はよほどの事が無い限り塗装工事はしないで下さい、逆効果です。) 軽いし太陽光発電との親和性も良いということです。屋根は屋根材の素材だけの耐久性で良い悪しを決めるのではなく重さとか工法との親和性の問題で複合的なものなので慎重に検討してください。

 

 

家主さん・スレート屋根塗装する前に理解してますか

今回は1996年から2009年に家を建ててスレート瓦(カラーベスト)を使った家主さんで、そのスレート瓦の塗装を検討または決定している家主さん。チョット待って下さい。冷静に考えて本当に良いのか?私の話を聞いてからにしてください。

スレート瓦とは?

スレート瓦とは、セメントと繊維材料を高温高圧下で形成しその上から塗装を施した人工的な屋根材です。もともとは主原料として天然繊維の石綿(アスベスト)が使われていましたが、現在では環境への配慮から人工繊維や石綿以外の天然繊維をベース作られています。スレート瓦というと一般的には平型のスレートをさします。厚さ5.2㎜ : 横幅91㎜ 主成分の85%~90%がセメントで10%前後が人口繊維で作られているのがカラーベストです。業者によってはコロニアルと呼ぶ方が多いでしょうが、カラーベスト商品ラインナップの中で看板商品が長年コロニアルであった事に由来します。 北海道や東北地方などの北国では使用されない屋根材です。なぜかというと主原料の8~9割がセメントなので寒さに弱く水を吸ってしまった場合は凍ってしまいます。(セメントは防水剤を塗らないと水を吸います)また雪下ろしが出来ない事も理由の一つです。 5㎜程度のセメントが凍って膨張すれば破損するのは当然のことです。天然繊維の石綿であるアスベストで強度を保てていたものの、そのアスベストが使用禁止になり人口繊維へと変更、改良し現在でも多くの住宅の屋根材として採用されています。

1996年~2009年のスレート瓦

なぜ1996年~2009年のスレート瓦が問題かというと、2004年にアスベストの使用が禁止される事をうけ、各スレートメイカーは事前に研究改良をしていました。使用が禁止なる前の1996年にはノンアスベストのカラーベストを販売開始しました。1996年~2009年までの製品が初期製品なのですが、とにかく不具合が多過ぎるというか強度が弱すぎる。その後メーカーでの再改良をし多少の強化は見込めるようにはなりました。

    危険なスレート瓦  
年代 メーカー 商品名 特徴的
1996年~2008年 ニチハ  パミール 層間剝離・表面滑落
1996年~2007年

旧松下電工

(現パナソニック)

レサス 割れ・滑落が多く発生する
2001年~2003年

旧松下電工

(現パナソニック)

シルバス 割れ・滑落が多く発生する
2001年~2005年

旧クボタ

(現ケイミュー)

ザルフグラッサ 割れ・滑落が多く発生する
2003年~2008年

旧クボタ

(現ケイミュー)

コロニアルNEO ひび割れが多い

上記の事を業者さんが知れない可能性がある塗装職人さんもリフォーム会社の営業マンもこの事実を知らない人が多い、そのまま家主さんに塗装をススメてしまっている場合があるので恐ろしいことです。一番多いのがコロニアルNEOでこの年代のスレート屋根の大半がコロニアルNEOだと思います。このコロニアルNEOは南側の屋根面がひび割れが多い傾向があります。(紫外線に弱いと思われます。メーカーは発表してないけどね) そしてパミールが1996年~2008年と最も長く販売されている商品ですが、層間剝離が酷く表面滑落が多く見られます。 これを普通に塗っている家がたくさんいらっしゃるんですけど・・・家主さんと塗装業者双方がこの事実知っていて承知の上で塗っているならまだ分かりますけどね。 剝がれる・割れるって分かっている素材に塗って意味じゃん、金の無駄だと思うのは私だけでしょうか? 

保証の問題点

今現在では、上記のスレート瓦は保証されていません。(保証期間が終了しています。)新築時施工後10年間は対応してくれていましたが、現在では「自分で何とかして下さい」というスタンスです。 メーカーが塗装業界や塗料メーカーに説明なり通告するのが筋だと思いますが通告しても塗装業界の反発をくらうのが分かっているのでしないのかな?  築15年程で屋根塗装を検討している中、リフォーム会社や塗装業者に見積依頼して「塗れません」という返事が返って来るとは誰も思わないでしょう。だかが築15年程でダメなんて想像出来ないと思うます。見積依頼を受けた業者も言いずらい部分もあるが、この事実を知らないで受注したり、知ってても受注してしまう事があるのも事実です。(説明したら自分達の仕事がなくなるから)

リフォーム時の屋根塗装の保証内容は塗装部の剥離だけです。自分たちが塗った塗料が剝がれた場合のみです。なのでスレート瓦の本体自体の劣化で層間剝離や割れが発生しても、塗料が現在ではなく素地であるスレート本体の問題点(特徴)なので塗装後の割れや剝がれは保証外になってしまう。 見積時や契約前に説明し双方合意があれば塗っても問題ないと思います。 また塗装後の割れやスレート自体の劣化剝がれで雨漏りが発生しても保証はしてくれません。スレート瓦自体の問題だからです。塗装工事中は当然ですがスレート瓦の上に乗る訳ですが、この時期のスレート瓦は大変もろくゆっくり乗っても割れてしまいます。塗料で表面だけは綺麗でもスレート瓦の裏側はひび割れは発生している事もあり、毛細管現象で吸い込んだ雨水がスレート瓦の裏側に廻り雨漏りが発生事例がありますが、これも保証外になります。あくまでも塗った塗料の剝がれだけの保証のみです。

まとめ

1996年~2009年に施工されたスレート瓦(カラーベスト)屋根の塗装工事はやめたほうがいい。塗料や塗装職人の良し悪し以前に、スレート瓦自体に問題がある。たとえ最高級の塗料を使用し、凄腕のレジェンド塗装職人が屋根塗装施してもスレート瓦自体が割れやすい素材なうえ、経年劣化で更に弱くなっている屋根を材塗っても意味のない事です。この事実を知らない塗装職人やリフォーム会社は塗装をすれば屋根の防水性や耐久性が向上すると思っている人が多い事が恐ろしい。屋根の上を歩くだけでもやひび割れが生じる場合屋根材を塗ってどーするの?それにこの時代のアスファルトルーフィングも寿命が過ぎている頃なので、下地防水性能が著しく低下した屋根の上を歩く行為も望ましくない限りです。 2009年以降のスレート瓦も同様です。いくら改良を重ねたとはいえノンアスベスト材です。経年劣化による剝離や割れがが早期におきます。新築施工時の屋根工事で屋根材の上を歩く事によりスレートの中身や裏側にダメージが与えられているからです。(足裏がズシッと下がる事があります。表面は何ともないので気が付きませんが確実にスレートの中身や裏側はダメージを受けています。) スレート瓦屋根は新築時からメンテナンス期以降までのランニングコストがかかり過ぎる屋根材のワーストワンと言えます。

 

最高の屋根5選 

今回も新築住宅を検討されている方へアドバイスをを。価格・耐久性・メンテナンス性・安全性・デザイン性を勝手に判断しましたのでご了承ください。

設計に入るまえにどの様な家を希望されるか?予算は?聞かれた後に具体的に屋根の形状は?と聞かれても即答はできませんよね。デザイン性重視の方は予めイメージが出来ている方もいると思いますが、「設計にお任せします。」なんて方も多いのではないでしょうか。設計完了後プレカットに入ってしまうと屋根の形状は変更出来ません。納得するまで検討する事が大切です。

第5位 陸屋根

陸屋根はその名の通り平らな形をした屋根です。20年前は新築住宅で陸屋根を採用される方は6%だったのが現在では1%と更に少なくなっています。採用されなくなった要因としては、メンテナンス頻度が多い事です。屋根の傾斜がなく雨が流れにくいためコケが生えやすく汚れもたまりやすい。屋根全面に日差しが当たり続けることで紫外線による屋根材の劣化が早い。太陽光発電を設置する事が多くなった。太陽光発電のパネルは架台が別途必要となる為、平らな陸屋根は雨漏りのリスクがあります。 メリットとしてはデザイン性外観をシンプルする印象があります。屋根上を歩ける事が出来ます。屋上菜園や洗濯物干しなどに使用される方もいます。(らしい?私はいらんけど)

陸屋根のおすすめ屋根材はガルバリウム鋼板の立平葺です。勘合式よりもハゼ式の立平葺の方がより防水性が上がるためお勧めです。一般的に陸屋根を想像する際にシート防水やFRP防水の様な防水材をイメージする事が多いかと思います。シート防水やFRP防水は紫外線に対して劣化が早く、紫外線を受ける陸屋根には適した部材とは言えません。この防水材がメンテナンス地獄の要因です。対してGL鋼板は日差しに対して耐久性が高くメンテナンス地獄から解放してくれます。大手某ハウスメーカーはGL鋼板の立ハゼ部分に太陽光パネルの架台を専用の金具で取り付け屋根に穴をあけることなく施工することでシェアをのばしています。

第4位 切妻屋根

切妻屋根はシンプルな外観で現在も多く採用されている屋根です。20年前の時点で3割だった採用率が現在では4割と更に増えています。切妻屋根のメリットは価格が安い事です。屋根形状がシンプルで棟の部材や手間が多くかかる部分が少ない事から費用を抑えられるということです。しかし落とし穴があります。それは外壁の仕様によるということです。切妻屋根は他の屋根に比べて外壁の面積が大きくなります。それは棟の下の三角の部分が広くなるからです。つまり屋根の費用は安くなっても外壁の費用が上がってしまうのです。例えば屋根にGL鋼板屋根材を採用しても外壁材に高価なタイル張りを採用すれば逆に費用が高くなるからです。 「サイデイングだから問題ない」と思う方・・・残念ですがそれも要注意です。切妻屋根は棟の下の三角の部分がむき出しになります。この部分の外壁は雨風を受けやすく外壁の劣化が早くなります。サイデイング外壁の場合は塗装やシーリングの打ち換えといったメンテナンス頻度が多くなり結果的にランニングコストがかかってしまいます。 対処法としては軒の出を多く出す事や、外壁材に金属サイディング採用することで塗装やシーリングの打ち換えなどのメンテナンス頻度を抑えられます。

第3位 片流れ屋根

片流れ屋根は切妻屋根より更にシンプルな形状でその名の通り片方に雨水を流すための勾配が付いている屋根です。 こちらは20年前には2%だった採用率が現在では30%の採用率になっています。特に15年程で一気に伸びているのですが要因としては太陽光発電の急増が挙げられます。片流れ屋根はシンプルな形状なゆえに全ての屋根面を発電効率の良い方向に向ける事が出来ますから太陽光発パネルのための屋根といっても過言ではないでしょう。そんな太陽光発電ありきの片流れ屋根ですが発電効率を意識しすぎると失敗さてしまいます。 片流れ屋根の失敗しやすいポイントはデザイン性に関係します。片流れ屋根は雨水を1方向に流しますのでどの方向に流すかによって家の形状が異なります。側面から見れば屋根の勾配がよく見える形になり、水上側から見れば陸屋根の様な四角いシンプルな形状とする事も出来ます。ただ水下側が正面になった場合は屋根が見えてしまいます。南側道路の場合は太陽光発電の発電効率ありきで考えるとこういった形状にになってしまいますので十分外観に納得のうえで採用してください。 また、もう一点注意が必要なポイントがあります。地域限定になりますが雪害です。積雪地域での太陽光パネルは危険性がたかまります。特に片流れ屋根は雪が1ヶ所に落ちます。太陽光パネルを設置した場合い雪止め金具が機能しずらくなります。落雪に十分な注意が必要な事と雨樋の破損が多いため肝に銘じてください。

第2位 段違い屋根

段違い屋根はその名の通り屋根が段違いしている屋根です。差し掛け屋根や招き屋根ともいわれます。 切妻屋根を1段ずらした様な形が多いですが、片流れ屋根を途中で1段ずらした様な形状もあります。 段違い屋根のメリットは室内空間を豊かに出来る事です。室内の間取りとその相性を考慮する屋根形状となります。段違い部分の外壁面に窓を設ける事で室内に採光を取り入れたり、重力換気を促す事が出来ます。また小屋裏空間を利用して各部屋の天井の高さを変化させるこその空間の特徴に合った使い方が出来ます。ホールに部屋をぐるりと囲んで窓が取れない場合に段違い屋根を採用することで上部に窓を設置する事が出来ます。 他の屋根よりも特徴的でデザイン性にもお勧めです。 段違い屋根の注意ポイントは価格です。他の屋根に比べて確実に高くなります。窓を設置する際の防水処理や断熱性・気密性の連続性や上の屋根の荷重を下の構造にしっかりと伝えるための構造設計など気を付けるポイントはたくさんあります。ですから段違い屋根の施工経験がある工務店を選んで下さい。構造や雨漏りは、やる気と気合ではどうにもならない部分ですので、経験と実績で選んで下さい。

第1位 寄棟屋根

寄棟屋根は一番メジャーな屋根形状です。20年前の採用率は50%でしたが現在では切妻屋根(4割)片流れ屋根(3割)に次いで3番目の採用率となっています。採用率が下がった要因は太陽光発電の相性の悪さが挙げられます。寄棟屋根は4面に向いた屋根形状ですから各方向の間に下り棟あり、太陽光パネルを敷き詰める場合下り棟が障害となります。太陽光発電と相性が最も良い片流れ屋根の採用率の上昇に比例して寄棟屋根は採用率がが減少しています。

寄棟屋根がなぜ1位かというと、寄棟屋根は日本の風土に最も合った屋根形状だからです。 寄棟屋根は4方向に深く軒を出す事が出来ますから日差しを遮る事で日射や紫外線による劣化を防いでくれます。また軒を低い位置まで降ろすことで台風等の風雨に対しても家を守ってくれます。気象に対して最も効果的な屋根形状と言えます。

 

 

メンテナンスフリーの家とは❓

最近、各ハウスメーカーやリフォーム会社などから「メンテナンスフリーの家」と言ったキーワードが発信されています。メンテナンスが不要なマイホームならば購入後、又はリフォーム後の心配が無くなると思いませんか。ですが...「メンテナンスフリー」とは近年、我々日本人が都合よく使う和製英語の一つであると思われます。 まず大前提として覚えていただきたいのが「メンテナンスが永遠に不要な住居は存在しません。」ということです。それは、たとえ外壁や屋根そのものの資材の耐久性が高く塗装の必要もない素材であっても、資材を接着する接着剤や下地材などが老朽化すれば当然メンテナンスが必要になるからです。 メンテナンスフリーの家とは長期間メンテナンスの必要がない住居を指します。

長期間メンテナンスフリーとは

長期間が何年を意味するのかはハウスメーカーやリフォーム会社によって異なりますが10~30年程の耐用年数を持った外壁や屋根資材を耐用期間の長い資材とみなしメンテナンスフリーと呼んでいます。 その為ハウスメーカーではメンテナンスフリーの住居であっても定期点検に加えて5~10年に一度のメンテナンスが推進されるケースが一般的です。

押さえるべき4っのポイント

  1. 耐久性・耐火性・耐震性  耐久性の強い資材であれば交換の必要がなく長期間使用することができます。万が一火災や地震が住居を襲っても丈夫なように外壁や屋根の資材の耐火性・耐震性を確保することも重要なポイントの1っです。
  2. メンテナンスのしやすさ  建物の形状や立地環境も考慮すべきです。風当りや日当たりの強弱により外壁や屋根へのダメージは変わります。
  3. 費用  かかる費用も重要なチェックポイントです。メンテナンス費用のかかりやすい箇所の代表格である外壁は足場を組むだけで、多額の費用が発生するため出来るだけ大がかりなメンテナンスとならない外壁を採用することが理想的です。
  4. 資材の種類  軽量な資材を使用した方が地震の揺れに強い利点があります。また素材そのものの色が綺麗であれば色褪せの心配も少なく再塗装する手間も省けるでしょう。

デザインや防音性といった点も気になりますが、メンテナンスフリーの内容を検討する際は4っのポイントを押さえることが大切です。

メンテナンス頻度を抑えられる外壁資材

  • サイディング(窯業系・金属系) 外壁に用いる仕上げ材の板のことをサイディングと言います。ひと昔前はモルタル外壁に塗る事が主流でしたが現在では工期短縮や安定した品質のメリットからサイディングを利用した外壁が増えています。 サイディングと言っても窯業系(ようぎょうけい)・金属(ガルバリウム鋼板)・木質・樹脂と様々な材質があります。その中でも耐久性に優れているのが窯業系や金属系のサイディングと言われています。窯業系や金属系のサイディングであれば、色褪せやひび割れも起きにくく、長い間サイディング本体を交換しないで利用し続けれれます。もちろん永遠に劣化しないわけではないので定期点検が求められるほか、劣化や汚れの生じやすい目地(コーキング材)の部分補修が必要です。
  • タイル  耐久性の高い材質として評判の高いのがタイルです。サイディングと比べても高い耐久性があり風雨や強い日差しによる劣化の少ない材質です。タイル自体の劣化がほとんどない事から、メンテナンスする際には下地や目地の部分的な補修で済ませられるのも大きなメリット言えます。高級感のあるタイルは住居をオシャレに見せる効果があることから、外壁えおタイルにしようと考える施主様も少なくありません。この様に耐久性と高級感を兼ねたタイルですがネックとなるのが価格面です。サイディングの倍の初期費用がかかるケースもあるため費用面で外壁タイルを断念される方も多いです。

メンテナンス頻度を抑えられる屋根資材

  • 日本瓦  日本で古くから利用されている瓦は耐用年数の長い資材の1つです。セメントで作られた瓦の耐用年数は30~40年ほどですが、粘土が素材の伝統的な日本瓦の場合50~80年の耐用年数があると言われています。日本瓦は耐火性・防水性に優れているのに加え塗装する必要があまりないことも大きな強みです。 デメリットとしては瓦に重みがあるため地震が発生した際には揺れを感じやすい建物構造となってしまうことが挙げられます。
  • 銅板  銅板も日本瓦と同様に古くから日本の住居に使用されてきた耐久性のある屋根材です。耐久性があるだけでなく軽量であることから、耐震性を期待出来ます。和風の建築と組み合わせると建物の統一感がぐっと増すため和風テイストな住居を考えの方にとっては魅力的な屋根資材と言えるでしょう。 デメリットは防音性の低さがあります。雨音が大きく響きやすいため、気になる方にはストレスに感じます。近年では酸性雨との関係で資材の改良や素材である銅の時価も高騰もあり一般住宅ではあまり使用されていません。神社仏閣等の建造物に使用されています。
  • ガルバリウム鋼板  ガルバリウム鋼板はアルミニウム・亜鉛・シリコンを混ぜ合わせ作られた資材です。軽量で耐久性に優れていることから屋根資材だけでなく外壁資材にも使用されています。ひと昔前は屋根材と言えば瓦でしたが、最近ではガルバリウム鋼板の様な金属屋根を採用する住居が増えています。錆びにくくメンテナンス頻度を抑えられるガルバリウム鋼板ですが、厚みがないため他の資材と比べると断熱性や防音性が低い傾向にあります。そのためガルバリウム鋼板を屋根資材として使用するには断熱材を加えたり断熱効果を備えたガルバリウム鋼板を使用したりするケースが一般的です。 

まとめ

住居を購入またはリフォームした後にメンテナンスをしないでも良い建物など存在しません。メンテナンスフリーとはハウスメーカーが作ったキャッチコピーすぎません。(紛らわしい(笑)) 震災などの災害後は「高耐震性の家」をうたい文句でしたが、耐震基準が建築基準法で重視され高耐震性が標準化した近年で絞り出したキャッチコピーが「メンテナンスフリーの家」なのでしょう。形あるものはいずれ壊れます。まして過酷な自然環境に日々晒されている建造物にはダメージがあります。劣化は避けられませんのでいかに耐久性の高い資材を選択するかがポイントだと思います。 住居の形状も複雑な形などは避けシンプルで屋根や外壁に風雨の負担がかからない形状の建物を選択された方が屋根や外壁が長持ちし、メンテナンスが必要になった場合に費用を抑えられる傾向があります。

ガルバリウム鋼板のメンテナンスは❓

近年は金属屋根を選ばれる方も多くなっています。新築時、リフォーム時問わず増えてきています。その背景には素材の改良と進化だと思います。トタン板からガルバリウム鋼板へ進化をし、更に形状や色など改良により、時短施工・長寿が実現され、軽量で風雨や災害に強くコストパフォーマンスが高い製品が人気を集めています。

ガルバリウム鋼板(GL鋼板)とは

ガルバリウム鋼板は屋根材や外壁材として使用される金属板です。ガルバリウム鋼板は錆びや腐食などから鋼板の表面を保護する機能を持つ亜鉛と耐久性優れているアルミでメッキコーティングを施している鋼板です。一般住宅ではGL鋼板0,35㎜から0,4㎜厚が使用され、 倉庫などの大型構造物では0,6㎜から0,8㎜などの厚く硬い素材を使用します。

よく相談される疑問点

  • よく相談される事1  金属屋根や外壁は本当に雨漏りしないの?
  • よく相談される事2  屋根裏や室内は暑くならないの?
  • よく相談される事3  メンテナンス時期や方法は? 

よく相談される疑問点の返答(私見・経験から)

  • 金属屋根や外壁は本当に雨漏りしないの?  そもそも初期施工時に適正な施工を施せば雨漏りしません。どんな素材の屋根や外壁でも。下地のルーフィングがしっかり機能する敷き方をして、開口部廻りや役物部分を適正な雨仕舞施工をすれば雨漏りしません。しかし建物の周辺環境に応じた施工方法をしないと後々何らかのトラブルが起こるでしょう。山間部地域や河川敷付近の地域やグランド及び田畑付近の立地では枯れ葉や砂埃が雨漏りの原因になる場合があります。環境に応じた雨仕舞が必要です。これらの事を理解せず、通常施工する業者も少なくはありません。
  • 屋根裏や室内は暑くならないの?  新築時にGL鋼板材を直に施工すれば暑いです。しかし適正な通気層を設け断熱処理を施せば問題ありません。 リフォーム時にカバー工法を選択する場合屋根や外壁は2重層になるので何ら変わりはないと思います。予算に応じて断熱材入りの製品を選ぶのも良いでしょう。
  • メンテナンス時期や方法は?  基本的にガルバリウム鋼板の金属屋根や外壁は耐用年数が長くトタン板の場合は5~10年が目安ですが、ガルバリウム鋼板は10~20年とされています。これらの年数は材料の耐用年数であって雨漏りや不具合は別です。適正な施工を施せば20年以上は可能かと思います。役物部分の下地や木部の劣化のために釘浮きやビスの緩みが原因で不具合が発生場合があるので強風や台風などの前後日に目視確認して不安がある場合釘やビスの増し打ちや下地材の交換をされると良いでしょう。基本的には下からの目視で役物部分の異変を確認するだけで良いと思います。 災害後に飛散物等によりGL鋼板材が切れたり穴が開く事があります。その場合は早急に補修工事を行って下さい。雨漏りの原因と劣化を速めてしまいます。

絶対にやってほしくない事

  • 5~10年での塗装工事  ガルバリウム鋼板の屋根や外壁は耐用年数が長いとはいえ紫外線などの厳しい環境に晒されています。日当たり具合によっては色褪せが早く起きる事もありますが、製品の防水性には問題ありません。
  • 意味のないコーキング処置  雨漏りが発生しても原因箇所周辺をコーキング処理のみで済ませる業者がいます。それが適正な処置ならば問題ありませんが、余計に雨漏り被害を大きくする事があります。

この2点の共通している事、それは塗装工事です。もちろん一流の塗装職人さんでしたら分かり切っている事です。 しかし無知な営業をされている業者も多くいます。 「少し色褪せたから屋根を塗らないと長持ちしませんよ。」や「屋根を塗れば雨漏りは収まります。」などと言い屋根塗装工事を迫ったりする業者が存在します。 特に雨仕舞箇所や板金役物部分の余計なコーキング処理や塗料などで塞いでしまうと雨漏り被害が拡大したり、新たな発生原因に繋がります。雨仕舞はコーキングに頼らざるとも回り込んだ雨水を排出するように施工をします。なのでむやみにコーキングや塗料で塞ぐのはお勧め出来ません。 多少の色褪せは仕方がない事で避けられないのは事実です。 ですが、色褪せが生じたからといって鋼板が錆びるとか劣化が速まることはありません。 ガルバリウム鋼板の屋根を色褪せで塗装をした場合、ケレン作業の工程で鋼板の表面をキズ付けてしまい余計に劣化を速めます。また錆止めを塗り2度塗りしたからといっても塗装は長持ちしません。熟知した塗装職人さんならば分かってますが、「防水性に優れて長持ちする」をうたい文句を言っているのは塗料メーカーと営業だけです。  業者によっては塗装工事前の契約書に長期間保証や雨漏りに関する保証をはっきり提示していない場合や、うやむやにし逃げる可能性がある業者も存在します。

塗装工事を批判している訳ではありません。悪質とも思える営業スタイルの業者がいるのです注意してください。

 

一度雨漏りした家 再発の可能性があるのか?

『雨漏り』というワード聞くと古い家と想像する方が多いかと思います。しかし築30年前後の家でも一度も雨漏りしたことのない家が大半です。昔と今では家のデザインと形や使用している建材や工法(納まり)が違うため、雨漏りが発生する箇所や原因は異なります。1990年代頃までは切妻屋根や寄棟屋根といった形の屋根で軒の出が90cm前後の家が標準でした。そして窓や勝手口などの開口部上には霧除けや庇が設けられていました。 現在では対照的に軒の出が少なく、片流れ屋根が人気で窓などの開口部も外壁とフラットで全体的にスッキリした外観の建物が多く見られます。 昔の家と近年の家では雨漏りが発生しやすい箇所が異なります。

雨漏りが発生し易い箇所

  近年の雨漏り箇所 築30年前後の雨漏り箇所
外壁からの雨漏り 屋根からの雨漏り
屋根からの雨漏り ベランダの防水・笠木
ベランダ・排水 外壁からの雨漏り
サッシ・窓 サッシ・窓廻り
5 雨樋からの雨漏り  

 

昔の家の雨漏りは8割程が屋根からの雨漏りでした。瓦屋根やカラーベスト屋根が多く棟の不具合や壁際の雨仕舞が原因です。また災害による屋根材の破損が多くの原因でした。 軒の出が多いのと霧除けや庇が設けてある為サッシ・窓廻りや外壁が原因の雨漏りは少なかったです。また軒の出が多い為雨樋が外壁から離れているので雨樋に不具合が発生しても室内へのの雨漏りはほとんどありませんでした。 瓦屋根の雨漏り原因は棟や壁際の漆喰の劣化によるズレと瓦本体のズレや割れが多く、これらは災害による破損が原因です。大雪で2.3日屋根に雪が積もった状態だと少し溶けた雪が夜に凍り水分量も増し翌日に凍った雪が下に落ちようとする荷重で瓦本体が引っ張られてズレや割れが起きます。 台風時は強風と豪雨が直接瓦を攻撃したり、飛散物が瓦を破壊する場合もある。 カラーベスト屋根(スレート屋根)では棟板金の下地劣化による棟板金の飛散や不具合が多く、また谷や壁際の雨仕舞からの雨漏り原因が確認されます。 全ての屋根はどんな屋根材でも表面で使用されている屋根材は1次防水でその内側に2次防水のルーフィングが敷かれています。瓦やカラーベスト材が破損しても直ぐに雨水が室内に侵入して来る訳ではありません。2次防水のルーフィングがしっかり機能していれば雨水が室内に侵入して来ることはありません。(ルーフィングが寿命を迎えれば機能性が低くなります。)築10年以内で大きな災害に見舞われず雨漏りが発生した場合は施工不備を疑った方が良いでしょう。

近年の雨漏り箇所の多くは外壁からの雨漏りが原因です。 近年は金属屋根の普及が進み、また複雑な屋根形状の家よりも切妻屋根や片流れ屋根がの様なスッキリした外観の屋根が人気で多くのシェアをしめています。金属屋根は防水性が高く、屋根材の裏側に雨水が入りずらい形状で谷や壁際の雨仕舞を適正に処理すれば2次防水のルーフィング迄雨水が侵入する事はありません。 しかし軒の出が浅い屋根が多く、特に軒ゼロ住宅が流行っている事もあり屋根が雨漏りしている様な現象が多く報告されます。それは屋根下の破風と外壁の取り合い部分です。軒の出が多く確保されていない為に本来ならば雨水が当たらない場所に当たってしまう事や破風から外壁に雨水が回ってしまう事が考えられます。また2階のサッシ・窓廻りに雨水が直接当たるようになりコーキングの劣化などが原因で雨漏りが発生する場合もある。同様に雨樋の不具合でも同じ現象おきます。特に雨樋は屋根の雨水を受け止める部位な為、台風や大雨時に大量の雨水が破風や鼻隠しから外壁に伝わることもあります。

外壁からの雨漏りに潜む危険性

  1. 原因特定が非常に難しい 原因箇所や侵入経路が様々で複雑だからです。・サッシ・窓廻の経年劣化によるひび割れ ・外壁同士の繋ぎ目のコーキングの劣化 ・外壁自体によるクラックひび割れ など多くの例が存在します。ひび割れと言っても雨漏りが起こる訳ではなく小さなひび割れで雨漏りが発生する場合もあれば大きいひび割れが出来ているのに雨漏りは起きていなかったということま有ります。原因箇所の特定が非常に難しいです。
  2. 目に見える症状が出にくい 台風や大雨の時に急に雨漏りが発生する場合であらば発見し易いのですが小さなひび割れや目視しずらい箇所の隙間から少しずつジワジワ時間をかけて侵入して来るケースもあり表面化するのに長時間かかる場合もあります。原因の特定が出来ないのに曖昧な修理を行う業者が存在します。雨漏り修理業者だからと言ってもどの業者も適切な修理をする訳ではありません。雨漏り原因特定には長年の経験と知識を求められ未熟な技術しか持たない人だと直せないのです。簡単な修理をして数か月で同じ箇所や近い箇所から雨漏りが再発しては意味がありません、ですがよく聞くことがあります。
  3. 訪問営業の悪徳業者に引っ掛かりやすい 訪問営業の業者は悪徳業者である可能性が極めて高いです。これらは統計上に分かっていて消費者センターでも注意喚起を行っています。この様な業者の手口は 「お家の外壁にひび割れが見つかりました。雨漏りが起きています。」「コーキングの劣化が確認出来ます。早急な修理が必要です。」と言って不安を煽るってきます。また「無料点検」や「今なら5割引き」といった甘い勧誘で必要のない工事を迫ってきます。しかし知識の無い方だとこの様な業者の言う事鵜吞みにしてしまい意味のない工事に何百万円も使ってしまった人も実在します。 外壁に一つ裏側には透湿防水シートが張ってあり、更に近年では通気層が設けてあるので家の内部に雨水が侵入しずらくなっています。透湿防水シートがしっかり機能していれば問題ありません。ですのでこの様な訪問営業には正しい知識をもち捕まらないようにしてください。とは言え外壁のひび割れやコーキングの劣化は雨漏り原因の1つなので早めに優良業者を選定し修理した方が良いでしょう。

雨漏り修理業者について

雨漏り修理業者選ぶときに思い浮かぶのは家を建てた工務店やハウスメーカーに相談する方がほとんどだと思います。それは間違いなく正解に近いです。間違っても訪問営業や県外の業者や地元から遠い業者は避けてください。職人の技術と知識のレベルや経験とプライドが低くお粗末な工事になりかねません。ご自身で修理業者を選定する場合には、雨漏り箇所によって専門職種が違います。・瓦屋根は瓦屋さん ・カラーベスト屋根スレート屋根金属屋根などは板金屋さん ・外壁モルタルは左官屋さん ・外壁サイディングはサイディング屋さん、板金屋さん  と箇所や種類によって専門職種の職人が修理施工をする事になります。専門外の職人が行ったとしても適切な工事ができるとは限りません。

最近多いのは塗装業者系雨漏り修理業者です。塗装業者は塗装のプロであり雨漏り修理のプロではありません。専属の専門業者と提携している業者もありますが、中には無知な業者も存在します。コーティングを打ち換えれば直るとか屋根塗装をすれば直るなど間違った知識で雨漏りの根源を無視し修理して一時は治まったようだが数か月後や1,2年後に再発する事例が多々ある事も事実です。 特に屋根塗装においてはカラーベスト屋根の色褪せやひび割れがの為屋根塗装をする事が一般的だと思われますが、屋根塗装をして雨漏りが発生したという事案が多々あります。カラーベスト屋根は防水が元々低く屋根材同士の隙間から雨水を逃がす構造ですので、塗装ですきまを塞いでしまえば雨水の逃げ道が無く雨漏りが発生します。塗料メーカーが苦肉の策でスペーサーを推進しているようだが中途半端な隙間が毛細管現象をおこして雨漏りが発生する事も報告されています。そもそもカラーベストは1次防水であり2次防水のルーフィングの事を考えていないのでしょう。ルーフィングの寿命が15程でパサパサになります。釘穴を保護する機能も低下します。カラーベスト材一枚に対し釘を4か所打ちます。ですからカラーベスト屋根の裏側は穴だらけなのです。2次防水のルーフィングで雨漏りを防いでいるのですが寿命で機能低下を無視して屋根塗装を施すのはどうかと思います。塗装屋さんの中にもその様な構造を熟知して屋根塗装はしない塗装屋さんがいるそうです。(真のプロですね。脱帽です)

まとめ

お家の外観を時々目視で良いので確認してください。屋根など高所で見えずらい箇所は数年に一度お近く工事業者などに点検して頂きましょう。見ず知らずの業者にみせないようにしましょう。雨漏り修理を依頼するにあたり見積を2,3社から取り施工方法の違い金額の違いをみて決めましょう。同じ施工方法でも金額に差があればどちらかを疑い、また施工方法が違えば原因箇所の特定内容が違った場合は熟知した技術の持ち主か経験が浅いのかを把握した上で慎重に決断して下さい。  一度雨漏りした家は雨漏りが再発するかしないかは専門職種の職人次第です。

 

地震による揺れと屋根の重さの関係 

近年では、南海トラフ地震や首都直下型地震などの大災害が予測され、政府や地方自治体がハザードマップを改正したりSNSのネット上では大地震関連の記事や予言説などが多くアップされています。私の山梨県は海が無いので津波による被害はありませんが、山に囲まれているので地滑りや河川の氾濫のよる水害は予想されています。特に警戒になくてはならないのが富士山の噴火です。南海トラフ地震による富士山噴火への影響が大きく関わると言われています。自然災害は止める事は出来ないので自分の身は自分で守しかないのです、同時に家族も守らねばなりません。家族が在宅中の地震が発生し家が倒壊してしまえば、家族を守る事が出来ません。最新の耐震基準をクリアしていれば大きな被害は避けられるかも知れませんが、築年数的に基準を満たさない住宅が多く危険視されています。せめて家族全員が避難完了するまで倒壊は避けたいものです。耐震基準に満たない場合はどの様な対策が良いのか考えてみましょう。

各屋根材の重さ

建築基準法において各屋根は「非常に重い屋根」「重い屋根」「軽い屋根」の3っに分類されます。

屋根材 重さ 建築基準法による分類
土葺き瓦屋根 60㎏/㎡ 非常に重い屋根
瓦屋根・セメント瓦 42㎏/㎡ 重い屋根
コロニアル屋根 20㎏/㎡ 軽い屋根
金属屋根 5㎏/㎡ 軽い屋根

 

一般的な広さの家屋 100㎡(約30坪)の場合
土葺き・瓦屋根 スレート・コロニアル屋根 金属屋根
約6t 約2t 600㎏
軽自動車7~8台分 軽自動車3台分 軽自動車0,7台分

屋根の重さで耐震性が決まる。陶器(粘瓦)屋根と金属屋根で比較すると8倍以上の差があります。

軽い屋根材について

スレート・コロニアル屋屋根は「軽い屋根」に分類されていますが重さは瓦屋根の半分程度です、そのためコロニアル屋根は思っている以上に重い屋根と評価する人もいます。その一方金属屋根は瓦屋根の1/8~1/10です。コロニアル屋根と金属屋根では4倍近く重さが違うにもかかわらず建築基準法では同じ「軽い屋根」のカテゴリーとして分類されます。(個人的なボヤキ(笑))

地震時の揺れは家屋の重心の位置に大きく影響を受ける

  • 屋根が重いと重心が高くなる?

地震時の家屋の揺れはその重心位置に大きく左右されます。屋根が重いと必然的に重心位置も高くなってしまうため不安定さも増します。そのため揺れも大きくなってしまうのです。また実際の揺れは先端になればなるほど遠心力が大きく働くため重さの数倍以上の力が加わることになります。(歩き始めた子供の様に体よりも頭が重くゆらゆら歩き転びやすい感じ) つまり屋根が軽ければ軽いほど重心位置も下がり減震も期待出来ます。

構造計算と屋根の重さ

建築家を目指す人は建物の構造耐力に関する「構造力学」を必ず学びます。その構造力学の計算式の中で「壁量計算」と呼ばれるものがあります。この計算式で地震に耐えることが出来る建物の壁量(地震耐力壁)を求められます。壁量を求めるためには、まず初めにチェックするのは「屋根の重さの係数」です。この屋根の重さの係数は屋根材の種類によって変わります。

瓦屋根から金属屋根に葺き替えた場合の耐震性能

建築基準法には、一般住宅の耐震基準が定められており、その目安となるのが耐震等級。1等級→2等級→3等級と等級が上がるほど耐震性が高くなります。各等級の地震係数は家屋の構造に対する耐震補強性能を表しています。

金属屋根に葺き替えることで地震係数はほぼ同じで耐震等級がアップ

地震係数とは、それぞれの等級を満たすために必要な耐力壁などの係数を表したものです。当然ですが重いものを支えるには柱がたくさんあった方が安定します。その柱や壁の数と考えてください。思い瓦屋根の家屋で3等級の耐震性能を得たい場合は柱や壁の数が必要となります。軽い金属屋根ではその数が少なくなります。瓦屋根の家屋は重い屋根を支えるように設計されています。その家屋を軽い金属屋根に葺き替えた場合、既存の柱や壁はそのままで屋根の重さは10分の1になりますので確実に耐震性能はアップします。

地震より台風の影響を重視していた時代

昔の人は屋根は重ければ重いほど良いと考えていました。「台風」による被害を避けるためです。地震よりも台風で屋根瓦の飛散を防ぐことの優先順位が高かったのです。昔の屋根瓦は瓦を土で抑える湿式工法(土葺き屋根)で葺かれていました。しかし現在では考え方が真逆となっています。屋根は重くするのではなく軽くすることが重視されるようになりました。昔と今では使用している建材や道具が進化してます。昔は釘打ちでしたが現在ではエアー釘打ちで大きな釘も一発で奥まで打ち込め強度も強いです。ビスや金物などや電動工具の進化普及に伴いより強固な施工と短期施工ができるようになりました。と同時に昔は亜鉛板(トタン)でしたが現在では進化してガルバリウム鋼板となり屋根材形も強度が増し軽くて飛ばない屋根ができました。重ければ風に飛ばされにくい、という事も分からなくもないですが  🙁  おそらく伊勢湾台風による教訓なのでしょうか?

大型地震が相次ぎ地震と屋根の因果関係は証明されています。屋根瓦は湿式工法を用いず乾式工法で葺く様になりました。軽量防災瓦など軽い陶器瓦も普及しています。特にリフォーム市場ではガルバリウム鋼板などの軽量で耐久性の高い屋根材に使用が急速に拡大しています。地震による家屋倒壊などの影響を避けるために屋根を軽くする事は公的機関の認定試験等により評価されています。

リフォーム時における注意点

耐震と屋根の重さについて述べさせて頂きましたが、重い瓦屋根を軽量の金属屋根に葺き替えた場合です。スレート・コロニアル屋根を金属屋根でカバー工法をした場合ではありません。新築時の設計の段階で屋根材がスレート・コロニアルと表記さている場合は構造計算はスレート・コロニアルの重量で耐力壁を設定されています。カバー工法は既存の屋根と新設屋根材の重量が「屋根の重さ係数」となり、地震耐力壁は不安になります。特に外壁が窯業系サイディングの場合はサイディング自体に強度はありません。あくまでも外壁の化粧仕上げ材なのです。築20年以上の場合は現在より耐震基準違う事と建材による劣化も懸念されます。 柱や筋交いの増設は大規模修繕工事が必要となってしまい厳しいでしょう。そこで提案❕ 耐力壁を高める方法は外壁のカバー工法です。もちろん金属サイディングです。現在では窯業系サイディングと同じ色や柄があります。金属サイディングのカバー工法は屋根カバー工法と同じで1枚毎、間柱及び胴縁に(455㎜ピッチ)ビス止めします。窯業系サイディングとは違い金属サイディングは本体ビス止めなので横ずれせず、1枚1枚が筋交いや耐力壁合板の役目をします。柔らかい壁を硬い素材で強化するイメージで良いと思います。

屋根の色はどんな色がお勧め? 後悔しない選び方

今回は屋根の色について解説したいと思います。 皆さんのご自宅の屋根の色は何色ですか? また新築時にどの様な感じで決めましたか? 新築時の色の決め方とリフォーム時の色の決め方には違いがあります。 ご自身の好きな色を選択した場合の理想と現実の違いとギャップに驚かれる方も少なくはありません。 材質や屋根の形状と建物全体の形状も関係してきます。 敷地内から見るのと離れた場所から見るかんかくでは異なりますので、色選びのポイントをお伝えしたいと思います。

新築時とリフォーム時の色選びの違い

新築時とリフォーム時の違いは大きく分けて3点あります。①躯体の有無 ➁近隣と景観の変化 ➂選べる色の数 この3点ですが何となくはご理解されていると思いますが、お客様目線と職人目線では少し感覚が違いますのでご説明します。

新築時の場合

新築時と言っても新たに土地開発や造成工事が行われる地域(新興住宅地)などでは、今後どの様な街並みになるのか想像でしか思い浮かびませんので、どの方角からどの様に見えるのか不安かと思います。一方では家の建て替えや近隣に住宅が立ち並ぶ空き土地を購入し家を建てる場合はある程度の想像がつくかと思います。隣家との距離や日当たりの加減で見た目がガラリと変わります。躯体が無く図面だけで判断しなければなりません。外壁の色は外壁工事が始まる前までは変更が出来ると思いますが、屋根の色は棟上げ後の工程なので、屋根形状と使用屋根材の決定後は変更できません。  近隣の増加や景観の変化によっては後々自分の家に物足りなさを感じたり、個性的な主張が強すぎたと感じる方もいます。新築時の屋根材の色は瓦・スレート・金属 共に選べる色の数は数種類しかありません。黒系・茶系・赤系・グリーン系・シルバー系です。材質やメーカーにより異なりますが新品材は塗装工事をする事が出来ません。

リフォームの場合

リフォームの場合は既に十年前後住み続けているので周辺環境や自宅の見え方などが把握出来ているかと思います。屋根形状や日照状況による屋根の見え方や汚れ方建物の劣化状況などを精査して屋根の吹き替えなのかカバー工法なのか塗装工事を判断しつつ外壁塗装や雨樋工事の有無を決めます。屋根の葺き替えやカバー工法を選択する場合は新築時と同様に数種類の色しか選択できません。塗装工事の場合は外壁と屋根の塗り替えを同時に行えば100色近い色の数から選べますので屋根と外壁の色を個性的な組み合わせが可能となります。

色選びのポイント

  • 美観性  汚れやコケなどが目立たないか。屋根の形状にもよりますが、棟や谷や壁際などはホコリやコケだけではなく水垢が目立ちます。
  • 外壁との色の相性  外壁とのバランス(調和)を考えましょう。屋根は外壁程、目立つ部位ではありません。外壁と同色系統を選ぶ事をお勧めします。
  • 周辺環境に馴染むか   近隣住宅や街の景観などを考慮して、主張が強すぎず地域環境にあったカラーリングをお勧めします。  
  • 機能性を損ねないか  遮熱性と断熱性どちらを優先するか? 遮熱性=暑さの原因である太陽熱を反射し熱吸収を抑え熱放射を防ぐ事。・断熱性=内部に伝わってくる熱を小さくする事。

建物の形状は変える事は出来ませんが外装の色を変える事で雰囲気が変わり新鮮な気持ちになります。思い切ったイメージチェンジも良いでしょう、今まではおとなし雰囲気の家から少し主張を強めた感じや可愛らしい感じに変えるのも良いかと思います。ですが、一度変えてしまえば数年・十数年は付き合わなければなりませんので数年先の事を見越して検討しましょう。建物の形状又は屋根の形状や使用建材は流行り廃りがあり、十年前後で流行が変わります。屋根の形状であれば、寄棟屋根から切妻屋根で最近では片流れ屋根が人気にです。またサッシ枠や雨樋などでは茶色系から黒系そして白やシルバー系に代わり最近では茶色系に少し戻っている感じがします。それに伴い外壁や屋根の色も流行りの色の変化も早く、十年程前は明るい雰囲気の色が人気でしたが最近では少し協調性の強い雰囲気が増えてきました。白系の強い外観は数十年で黒ずんでしまい汚れや劣化が目立つからなのでしょう。

屋根の人気色

人気の色と言っても、地域やお施主様の年齢によって全く違います。都道府県別や市町村別に調べても異なります。茶色系が多い地域まあればシルバー系が多い地域もございます。大手ハウスメーカーか地元ハウスメーカーかでも推し色は異なります。(新築時)

  • ブラウン   ブラウン系の屋根の色は濃い茶色でも明るい茶色でも外壁の色をまるく納めてくれる感じになります。和風・洋風問わず優しい雰囲気になります。屋根の色に迷ったらブラウン系を選ぶ人が多いです。
  • ブラック ブラック系の屋根の色は印象深い高級感を演出しどんな形状の建物や屋根形状でも景観を崩さずスタイリッシュになります。 汚れ(水垢)が目立ちにくい。
  • グレー   グレー・シルバー系最近、新築でもブラウンに並んで人気が高い色です。ブラックでは暑さが気になるしつまらないと感じる方が選ぶことの多い色です。白色に近づく程、遮熱・断熱効果を損なわないが白色よりも汚れも目立ちにくい。(茶色系や黒系よりは汚れや劣化はめだちます。)大型構造物(S造)や工場などの折板屋根でグレーやシルバーが多いのも遮熱効果が目的な為でもあります。  
  • グリーン  お家の形や雰囲気を爽やかな洋風にイメージチェンジするのには最適でしょう。比較的どんな外壁の色とも相性よく馴染みの良い色です。
  • ブルー  清潔感のある仕上がりと寒色効果のあるブルー系ですが、濃いめの少し黒に近いブルーが好まれます。ブラック程ではありませんが適度な引き締め効果と清潔感を与えて汚れも目立ちにくい色です。

まとめ

屋根の色選びと言っても新築時とリフォーム時の屋根の吹き替えやカバー工法を選択する場合とリフォーム時の塗装工事では、選べる色の種類違いがあります。私は屋根工事業者ですので、葺き替え工事やカバー工法の観点から申しますと、全体のバランスを考慮しサッシ枠や雨樋の色と同系色を選んだ方が良いと思います。サッシ枠が茶色系で屋根の色が黒系やグレー系の場合、統一性がなくちぐはぐした感じになります。また遮熱効果を期待して白色を選ぶのはNGだと思います。塗装業者の観点は5~10年の目線です。外壁は屋根ほど雨水の影響を受けませんが、屋根は雨水を受け流れる部位なので、汚れ方が激しいです。3~5年ほどで水垢が目立ち5~7年でコケやホコリの固まりが目立つ様になります。屋根が暑いと感じるのは屋根裏の換気性・通気性に問題があるからです。断熱材入りの屋根材を使用したり、軒天通気や換気棟などで十分に対処出来ます。換気棟が標準装備になったのはつい最近ですので、もしかしたら暑いと感じるお宅は換気棟が使用されていないかも知れません。GL鋼板断熱タイプの屋根材で黒系・茶色系を選択すれば20年後迄屋根リフォームの心配はないと思います。

折板屋根とは?折板屋根カバー工法の注意点

今回は折板屋根のカバー工法をご紹介します。一般住宅ではあまり使用される物件はありませんが、倉庫や工場などの大きな建物で使用される事が多く、近年ではスレート小波材は屋根での使用を禁止となった為、大型の建物は、折板屋根がメインとなっています。 身近な所では自宅の駐車場の屋根や駐輪場の屋根などで使用されている方も多いかと思います。 昔はアパートなどの大型共同住宅(鉄骨構造)でも使用されていました。木造建築でも使用されている建物はありますが、やはり人気が無いようです。比較的には安価で高耐久ですが断熱性とビジュアル的に一般住宅には向かないのでしょうか。

折板屋根のイメージ

  • 折板屋根の形状は長尺で山の様な形状で一般住宅にはゴツイ見た目でビジュアル的に外観と合わないイメージ。 
  • 夏は暑くて冬は寒い
  • 雨音がうるさい

この3イメージは間違えなく、私もそう思います。あまり良いイメージはないでしょう。折板屋根は大型構造物用の屋根材と思って頂ければ良いでしょう。

折板屋根の特徴

折板屋根は金属屋根です。素材は・亜鉛メッキ鋼板・ガルバリウム鋼板・ステンレス鋼板・塩ビ鋼板が挙げられます。折板屋根は長尺で屋根の流れ距離に合わせて成型出来るので大型建造物では成型機を現場に搬入してその場で成型してクレーンで屋根に上げます。折板屋根は立葺きで1枚1枚葺いて行きますので緩勾配での施工が可能な事から大型建造物に最適とされています。  昔は倉庫や工場などは波型スレート屋根が多く見られましたが現在は折板屋根がメインとなっています。

折板屋根種類と施工方法

  • 重ねタイプ  タイトフレーム上のボルトに2枚の屋根材重ねてナットで固定します。 固定力が強く強風に強い特徴があります。 10年に一度はナット締付点検をお勧めします。ナットと止水パッキンが劣化などで緩むと雨漏りの原因となります。
  • ハゼ締タイプ  梁の上に固定したタイトフレームに固定金具を付け屋根材の端と端をはめ込んで折り曲げ固定します。ボルトで穴を開ける必要がない為防水性が高く低コストです。丸ハゼと角ハゼの2種類があります。
  • 勘合(かんごう)タイプ  吊り子金具で2枚に屋根材をタイトフレームに固定し吊り子金具上にキャップを被せてはめ込みます。表面のボルトが隠れる為見た目が美しく仕上がるのが特徴です。  

折板屋根による改修工事

大型建造物でも一般住宅と同じように改修工事が必要な場合もあります。折板屋根が高寿命とは言えいつかは大規模な改修工事必要となります。古い屋根を剝がして屋根を葺き替える工事は多額の費用と工事中の施設利用が制限されてしまいます。そこで費用の軽減と施設利用可能なカバー工法が採用される事になりました。折板屋根によるカバー工法は折板屋根はもちろんのことですが波板スレート屋根にも採用されています。 商業施設や事務所などでは折板屋根から天井や配線器具などが吊り金具で吊っている施設もあり、その屋根を剝がして葺き替えるとすれば天井や電気配線器具など内装工事も行わなければなりません。

折板屋根によるカバー工法のデメリット

  • 屋根が重くなる  屋根が重くなり耐震性が悪くなります。折板屋根の厚みは住宅用の2倍近い厚みです。1㎡当たり15~20㎏程度屋根が重くなります。それでも瓦屋根の半分以下の重さであり軽量屋根であるが認められています。建物の耐震性に不安がある場合はカバー工法は避けた方が良いでしょう。
  • 夏は暑くてなりやすい  折板屋根のカバー工法は基本的に断熱材は入れず施工します。そのため屋根を被せると暑さが改善しないで逆に増す事があります。その場合ルーファンを付け屋根にこもった熱を輩出させる事をお勧めします。
  • 膨張で音鳴りがする  折板屋根は金属なので熱を吸収する事で膨張し屋根材が冷えると収縮します。この時屋根材と固定金具が軋む音がなります。屋根材の裏に断熱材を裏張り処理などで音の発生はある程度抑えられますが、基本的に避けられない現象です。
  • 結露が生じる  古い屋根との間に結露が発生しやすくなります。この結露を雨漏りと勘違いされてしまう事が少なくありません。結露も音鳴りや暑さと同様に断熱材を敷くことで解消されますが断熱工法はとても高額です。

どんな屋根に折板屋根カバー工法をするのか

折板屋根の上に折板屋根をカバー工法する。  古い折板屋根の上に折板屋根を被せる工事です。雨漏りが改善されない場合こカバー工法です。この時既存屋根の同じ形状の折板屋根を被せる事になります。 重ねタイプが多いです。(ナットや止水パッキンの劣化や重ね箇所からの雨漏りが生じやすいため)

新築時にカバー工法をする場合もあります。これはダブルパック工法と言い、1層目の折板屋根の上にグラスウール断熱材を敷きその上に仕上げ材の同形状の折板屋根を被せる工法です。この工法の目的は折板屋根のデメリットを最初から解消するための工法です。断熱性・遮熱性・遮音性が向上します。この工法場合、重量を考慮した構造が求められます。将来的な改修工事は葺き替え工事となります。いくら折板屋根のカバー工法でも3層は出来ません。

波型スレート屋根の上に折板屋根をカバー工法する。  古くなったスレート屋根の上に折板屋根を被せる工事です。 古くなったスレート屋根は強度が弱く、またアスベストを含んだスレート材の飛散防止の目的も兼ねています。 基本的にスレート屋根はフック止め主です。スレート屋根のズレやフック緩みが原因で雨漏りがしやすいため、長尺に折板屋根を被せる事により雨漏りが防止や屋根強度の増加が見込めます。

瓦棒屋根の上に折板屋根をカバー工法する。  瓦棒屋根の上に折板屋根を被せる工事です。この場合の折板屋根と言っても既存屋根の形状に近い折板屋根を被せます。既存重ね部分の高さが少し高くなり、タイトフレームに固定します。

折板屋根カバー工法の注意点

  • 既存の屋根構造や建物の基礎や柱などが荷重量に耐えられるか? 鉄骨構造とは言えあまりにも基礎が貧弱なばあいや耐震性に不安定な場合は避けた方良いでしょう。 
  • 現地敷地内又は周辺道路などのスペースが確保できるか?  屋根材が長尺な場合に現場成型出来るスペースが確保が必要です。屋根材を陸送する場合も道路の幅が狭い所だと車が入ってこれません。またクレーンを使用して屋根材の荷上げをしますのでクレーン車を止める場所も必要です。