新築を検討されている方々が重視しているのが、LDKやキッチンなどの内装そして次に予算ではないでしょうか。
近年ローコスト住宅がふえて、内装の設備が充実し外観もシンプルでオシャレな建物が多くなりました。
特に多いのが軒ゼロ形状の建物。箱型で片流れ屋根の建物です。軒の出が無いので屋根面積を減らし軒天や雨樋の距離を削減することで、改装工事費が削減できるメリットがあります。
金属系の立平屋根は軽くて雨漏りしにくい為、注目されています。
片流れ型屋根の雨漏りの原因
屋根の雨漏りは棟・谷・天窓などが多く、次に屋根材の繋ぎ目などが考えられます。
片流れの立平葺は水の流れ方向に一枚鋼板で施工するので防水性に優れている工法です。
雨漏りの危険性が高い屋根形状は以下の順です。
寄棟型→陸屋根型→切妻型→片流れ型
寄棟や切妻は棟板金からの漏水、陸屋根は屋根勾配がフラットに近い為接合部の漏水です。全形状に共通して谷納め・天窓などの漏水が挙げられます。
しかし、次のような報告があります。統計報告(日本住宅保証検査機構 発表)では、片流れ型が44%以上(寄棟6%・切妻26%・その他)となっております。
雨漏りのリスクが少ない片流れ型や切妻型が多い理由
それは屋根からの雨漏りではなく、破風や軒天と外壁の納めからの雨漏りです。雨は真上から降っているだけでなく風向きにより、斜め横などに降る事もあります。
その時に軒が450㎜~600㎜以上出ていれば破風板に雨が当たり軒と外壁の接合部を守ることができますが、軒ゼロの場合軒がなく破風と外壁の通気用の隙間から風で吹き上がって来た雨水入り込む事例が報告されたいます。片流れ型は特に水上の片棟納めや破風板と外壁に雨が当たりやすく雨漏りが多い場所です。
雨仕舞の取り合い不備や1次防水、2次防水不備が考えられます。
通気工法により外壁裏に通気を設けられいる為一番の急所だと思います。
雨漏り対策
それでは、どうすれば良いのでしょうか考えていきましょう。
施工時に確認
各住宅メイカーや工務店の施工事例を検索しイメージにあった建物を多く施工しているかチェックしてください。
まず、設計の段階で外観のデザインを決める時、地形や建蔽率や隣家との境界セットバック(日照権その他)などを考慮して、実際に住みやすい大きさの建物を決めましょう。
好みの屋根形状や外形を設計士又は施工者に伝えた後、提案された図面をよくみて説明をして頂きましょう。
ローコスト住宅の場合大半は軒ゼロを提案してくると思います。屋根・外壁の通気納め方や1次防水、2次防水施工方法などは念入りに打ち合わせしてください。
出来れば実際に施工をする職人さんの意見も聞いた方がよいでしょう。設計士や施工管理者が施工する訳ではありません。
彼らは構造理論的なプロですが、実際に施工するのは職人さんです。数多くの経験と実績で疑問に思う箇所が職人さんにはあるかもしれません。
使用する材料を確認
瓦屋根・スレート屋根・金属屋根の材質とメリット、デメリットを聞いてください。選んだ材料が設計された形や強度に適しているのか確認してください。(屋根形状や屋根勾配に注意)
外壁も窯業系サイディング、金属サイディング、モルタルジョリパット仕上げなどがあります。これもメリット、デメリットを聞いてください。
屋根、外壁の耐久年数やメンテナンス時期なども考慮すべきかと思います。 5年~10年程で外壁が黒くなっている建物が多く見受けられます。
これらは、外壁のホコリと出窓などサッシの上に溜まったホコリなどが雨水で流れシミになったものです。
軒は出ている方が建物のためには良いので、設計の段階で十分話し合い対策検討してください。
建売住宅でない限り多少の変更は可能だと思いますが、形状等大規模変更は無理なので着手までは何度も打つ合わせしてください。
たとえ内装重視で外装の費用を削っても後に雨漏りなどで内装などを痛めては修繕費がかさみます。
片流れ型は屋根本体からの雨漏りは少なく、更に立平葺は防水性に優れてコストパフォーマンスも良いと思います。
しかし軒ゼロはお勧めできません、できる限り軒の出は確保することお勧めします。
雨漏りしない屋根、外壁を選ぶ事を第一条件にしてください。
まとめ
記事をご拝読いただきありがとうございます。
片流れ型屋根の雨漏りについて書かせていただきましたが、少しでも皆様のお役に立てれば幸いです。
屋根まわりをきにされてい方はカバー工法のページを見て頂けると幸いです。
また、屋根のことでご質問やご相談があればお問合せフォームよりお気軽にご相談ください。