2021年07月

台風による被害あるある

台風による風災、雨漏りの原因は様々な要因が考えられます。

棟板金の飛散や屋根材の破損などが多く見受けられます。これらの多くは経年劣化によるものが多く、下地貫板や野地板劣化と共に釘の浮き上がり及び腐食による屋根材等の固定が緩み破損や漏水が原因だと思います。

建物の負荷について

建物への負荷は「長期荷重」と「短期荷重」が有ります。

長期荷重とは

「長期荷重}とは建物の自重である「固定荷重」として収容される設備や家具等の「積載荷重」が該当し常に作用し続ける力です。

短期荷重とは

「短期荷重」とは「地震荷重」「風荷重」「積雪荷重」等が該当し一般的には自然現象により作用する力です。

風荷重とは

「風荷重」は台風による暴風を想定して検討されますが鉄骨構造や木造等の比較的軽量な建物には大きな影響えを及ぼします。

「風荷重」は横風が主で急勾配の屋根形状は台風災害が多く観られます。 

様々な屋根材が有りますが瓦材やカラーベスト屋根は垂木にビス止め固定ではなく、瓦桟や野地板に釘打ちなので屋根材の固定力が年々減少していきます。

台風の際に見られる現象

  • 瓦が割れる、ひびが入る
  • 屋根材がずれる
  • 屋根材のひび割れによる雨漏り
  • 雨樋が壊れる

屋根の被害

瓦やカラーベストは一枚毎、「風荷重」を受け割れや飛散等の被害が見受けられます。2004年にアスベスト(石綿)入りの建材が使用禁止となり、以降は無石綿に改良されました。改良前に比べて厚さが2㎜程厚く重量も少し重くなりましたが、アスベスト使用品程の強度は無くなった感じがします。施工時に気を付けて歩かないと簡単にクラックが入ってしまいます。台風による強い「風荷重」を受けて割れる可能性があり、飛散してなくても屋根材のズレやひび割れ箇所からの漏水は多く見受けられます。又、釘の釘の浮き上がりにより下地防水のルーフィングから雨水が染み込むことがあります。この事例は数か月後、数年後に現れることが多いので気が付いた時には野地板が広範囲で腐っている場合があります。又、換気棟や通気口を設けていない場合は、屋根裏の通気性が悪く湿気や結露が多く野地板を痛めてやすくします。

一方、金属屋根は長尺の鋼板を垂木にビス止め施工をしていれば台風災害には強いと言われています。瓦やカラーベストなどの重ね葺ではなく、立平葺・横葺、共にハゼ部分(結合部)が勘合式でしっかりとかみ合わさっている為、雨水や風が入り込む事はありません。

しかし例外として瓦棒葺き(桟葺き屋根)は桟木が劣化など釘の浮き上がりや腐食により屋根全体が飛ばされる被害もあります。

近年はあまり使われていない工法ですが、古い木造住宅やアパート、倉庫などで見られます。軒先や妻側の唐草や軒天などの隙間から風が入り少しずつ屋根を持ち上げて天井裏まで風が入ってしまうと屋根全体が飛ばされる危険性があります。

該当する建物を所有されている方はメンテナンスをし、木下地の修繕やビス止め補強や雨仕舞などを早めに対策をしてください。

ソーラーパネルを載せてっる屋根もご注意ください。屋根本体とソーラーパネルの間に風が吹き込むとパネルの表面と裏面の両側に「風荷重」を受けます。施工業者も「風荷重」を考慮して施工していると思いますが、べース(受け金具)からの漏水や屋根破損が確認されます。外見は無事のように見えますが、パネルの表面しか見えないので分かりませんが、数か月後に天井にシミができた事例もありました。 立平葺屋根や折板屋根(ハゼ式)はベースを垂木にビス止めではなく、ベースをハゼ部分に噛ませて固定しているだけなので、適正トルクで締め付けて無いと裏面からの「風荷重」で持ち上がり外れたり屋根のハゼ部分が切れることもあります。

金属屋根・カラーベスト屋根に共通している事ですが、対応年数が何年とありますが、これは屋根材自体の年数目安であり下地木材の劣化等で棟板金などの役物は数年ごとのメンテナンスが必要です。

雨樋の被害

次に雨樋の台風災害です。雨樋も当然「風荷重」をうけます。屋根本体よりも強い「風荷重」を受けると思います。

横風と下からの吹上風をダイレクトに受け、通常以上の雨水の量が軒樋に流れ込んで来るので雨水の重量も負担となります。

冬季に軒樋の中に泥や枯れ葉などが溜まると雨水が流れず軒樋のジョイント部分が腐りや破損し、降雪時には「積雪荷重」で更に重きなり軒樋が変形や前倒れします。軒樋の受け金具が変形や緩み前垂れの状態で台風の強い「風荷重」を受けてしまえば、軒樋のジョイント部分・集水器・エルボ部分がから破損断裂が発生し飛ばされたり、屋根・破風・外壁を破壊したりします。隣家の建物との距離が近い方は十分注意してしてください。自宅の軒樋がかぜに煽られ隣家の硝子を割ってしまった事例もあります。雨樋の清掃と勾配修正と破損箇所のチェック修理は台風前にした置いた方が良いでしょう。

雨水排水管の詰まりが原因で雨水が流れず集水器まで水が吹き上がって来る事もあり、ベランダの排水桝から外壁内や天井を濡らしてしまう事例もありました。雨水排水管は地中に埋設してあるので水勾配かあまりないので、軒樋内の泥やゴミが大量の水量で流れ地中の雨水排水管が詰まってしまいす。必ず樋内の泥やゴミは取り除きましょう。

まとめ

近年DIYが流行っています。テラス屋根・駐車場などご自分で施工されている方が多くいらっしゃいますが、誤った知識と自己流での施工されている方は台風前に見直してください。自己責任での施工で自宅の壁や近隣様の建物やお車など傷つけてしまっては悲しすぎます。 頑丈な基礎と丈夫な柱、梁、垂木を確実にボルト止めをして下さい。ホームセンターなどで販売している木材は反り曲がりが激しく強度が保てなく、腐敗も早い木材が見受けられます。良く見極めて購入してください。屋根や雨樋の施工は手順があり確認してから施工を行って下さい。重なりが不十分だったり逆だと漏水や破損の原因になります。「短期荷重」に対しては、地域ごとに違います。強風地域なのか積雪地域なのか調べてから施工を行って下さい。それ以外にも風通しの良い場所か風当たりが強い場所かを考慮して「風荷重」に耐えられる補強を行って下さい。見映えが悪くなるからとスッキリした施工をし強度不足で屋根が飛ばされたケースや予算を安く抑えようとした結果、倒壊したケースがあるので気をつけてください。

「短期荷重」に対しては各シーズン前点検・メンテナンスをした方が良いでしょう。

ご相談に関して

F.WORKSでは台風被害による屋根の修繕や、雨樋の修理等をおこなっておりますで、お気軽にご相談ください