天井からポタポタと水があたる音がしたら、「雨漏りが起きている?」と思う方が多いと思います。 けど、雨漏りの場合とそれ以外の場合があり、それぞれの対処法を行わなければなりません。 放っておくと家の劣化に繋がってしまう可能性があるため、早めに業者へ依頼しましょう。
天井から雨漏りの様なポタポタ音が聞こえる原因
天井から雨漏りの様な音がする原因は「雨漏り」とそれ以外の2パターンに分けられます。
雨漏りの原因は 屋根・外壁・サッシ の3つです。
屋根からの雨漏り
屋根が破損していると、そこから雨水が侵入し天井へ滴下している時にポタポタ音がします。原因は以下です。
- 瓦やスレートなどの屋根材が破損している。 台風等の強風による屋根材の割れよりも飛散物による破損や劣化による割れ。スレート(カラーベスト)の割れは劣化による場合がほとんどです。
- 板金と釘の間に隙間や浮きが出来ている。 棟板金や雨押え板金などの釘の浮きや隙間は下地材の木材が劣化や腐食していることが原因だと思います。
- 谷板金が腐食している。 トタン板の場合は劣化によるものではありますが、トタン板の寿命です。 何度か塗装をされている場合は、逆にトタン板の寿命を速めてしまう事あります。ガルバリウム鋼板に交換することをお勧めします。
- コーキングが劣化している。 屋根上のコーキングは劣化がとても早いです。棟板金や雨仕舞板金の表面のコーキングは特に劣化が早いため、板金の重ね部分は板金の内側にしっかりと捨てコーキングを施し、ハゼ折し水返しを施す事が重要です。
- 屋根材の下にある防水シートが破損している。 防水シート、アスファルトルーフィングの寿命は10~15年程です。 スレート(カラーベスト)屋根は防水性が低いため、アスファルトルーフィングの劣化は致命的でしょう。
- 漆喰が崩れている。 漆喰が崩れるということは、棟瓦なども崩れてくる可能性があります。もしくは、すでに棟瓦などが崩れている可能性があります。
このような屋根の不具合によって雨漏りしている場合は、屋根を適切に修理する事でポタポタ音が発生しなくなります。
外壁からの雨漏り
もし1階の天井からポタポタ音がする場合は外壁が原因かもしれません。 外壁からの雨漏りは意外と多く天井からの雨漏りと違って気づきにくいのが特徴です。
- コーキングが劣化している。 コーキングの劣化、ひび割れは雨水を吸い込みます。サイディング材本体も水を吸い込むので下地木材や通気材の劣化が早くなります。 開口部廻りや開口部の上下は要注意です。
- 外壁がひび割れている。 モルタル外壁・ジョリパット仕上げなどは少しのひび割れから雨水が入り込めば、ひび割れ範囲が広がって行きます。
- 水切りなど板金部材が不具合を起こしている。 水切りなどの部材が適切に施されていないと雨水が横走りして外壁の内側に回ってしまいます。
- 笠木が変形したり、浮いたりしている。 笠木の折下げ部分の外壁や防水シートが適切に施されていないと雨水外壁内側や建物の内側にに入ってしまいます。 笠木の取付金具や下地木材が水平のなっていないと、笠木が水平に保てず、より雨漏りの原因なります。
サッシからの雨漏り
2階以上のサッシから雨水が侵入し、下の階の天井で雨漏りを起こす事もあります。 サッシからの雨漏りするケースはとても多く、ポタポタ音が発生する大きな原因です。
- コーキングの劣化で隙間が出来ている。 コーキングの劣化やひび割れ、サッシ枠際の隙間はダイレクトに外壁の内側に雨水が入り込みます。
- 防水シートの施工不良。 防水シートの施工不良の場合は、サッシの隙間やコーキングの劣化から入り込んだ雨水が防水シートの裏側、すなわち柱や室内の断熱材まで回ってしまいます。 そのため、2階のサッシからの雨漏りした場合は柱を伝わって1階の壁まで水が落ちて来ます。
- 耐風性能が弱い。 通常の雨では問題ありませんが、強風を伴う豪雨の場合はシャッターや雨戸を閉めることをお勧めします。
- 外壁がひび割れを起こしている。 サッシ廻りの外壁がひび割れている場合は、ダイレクトに雨水が外壁の内側に入り込みます。
極まれなケース
極めてまれに起きるケースがあります。それは雨樋です。軒ゼロ住宅や軒の出が600未満で起きる事があります。 軒樋の破損や集水器などの落とし口のゴミ詰まりが原因で雨水が破風板や軒天の裏側にに侵入して天井裏や室内壁に染み込む事があります。 軒樋の破損や集水器などのゴミ詰まりが原因なのは雨樋の修理や掃除をすれば治りますが、そもそも論でいうと「軒の出が少ない事が問題」と言いたい・・・。こればかりは時代の流行り廃りで仕方が無いですかね。
天井からのポタポタ音を調査する方法
天井から水滴音がするからと言っても、それが雨漏りによるものとは限りません。調査した結果、水滴の原因が雨漏りではなかったことが判明する場合もあります。
まずは、どこに水が落ちてきているのか探しましょう。天井の点検口がある場合はライトがあれば天井裏を実際に見ることができます。 天井裏に上がるのは非常に危険です。踏み外すと天井から抜け落ちますので、点検口から目視出来る範囲の確認作業にとどめて下さい。
- 断熱材が濡れている。破れている。
- 水が流れおちている。流れた跡がある。
- 木材が湿っている。腐食している。
雨漏りが発生している時はこのような症状が見つかる可能性があります。 水が落ちてきている場所が判明した場合、真上やその付近で雨漏りの原因箇所が発見できる事があります。
天井の配管を確認する
天井裏に配管がある場合、2世帯住宅や2階にトイレなどの給排水設備がある家は、天井裏配管んが不具合や破損して水漏れを起こす事もあります。
パイプの曲がり部分や接続ソケットなどからの水漏れが確認されたら、止水栓を閉める事で応急処置をし早急に業者に修理依頼をしてください。 天井裏配管の給水配管の水漏れは漏水です。 天井裏配管の給水管または排水管からの漏水の場合は広範囲に天井濡れてしまいます。 天気の良い日が続いているのに天井が広範囲に濡れている場合は天井裏配管の漏水を疑った方が良いでしょう。
結露の発生
結露で発生した水滴が集まって天井に落ちてきている事が原因になっているケースもあります。 天井裏の木材や配管が全体的に濡れたり、冬だけ、または暖房を使っている時だけ、音が聞こえて来る時はけつの疑いがあると言えます。