ガルバリウム鋼板のメンテナンスは❓

近年は金属屋根を選ばれる方も多くなっています。新築時、リフォーム時問わず増えてきています。その背景には素材の改良と進化だと思います。トタン板からガルバリウム鋼板へ進化をし、更に形状や色など改良により、時短施工・長寿が実現され、軽量で風雨や災害に強くコストパフォーマンスが高い製品が人気を集めています。

ガルバリウム鋼板(GL鋼板)とは

ガルバリウム鋼板は屋根材や外壁材として使用される金属板です。ガルバリウム鋼板は錆びや腐食などから鋼板の表面を保護する機能を持つ亜鉛と耐久性優れているアルミでメッキコーティングを施している鋼板です。一般住宅ではGL鋼板0,35㎜から0,4㎜厚が使用され、 倉庫などの大型構造物では0,6㎜から0,8㎜などの厚く硬い素材を使用します。

よく相談される疑問点

  • よく相談される事1  金属屋根や外壁は本当に雨漏りしないの?
  • よく相談される事2  屋根裏や室内は暑くならないの?
  • よく相談される事3  メンテナンス時期や方法は? 

よく相談される疑問点の返答(私見・経験から)

  • 金属屋根や外壁は本当に雨漏りしないの?  そもそも初期施工時に適正な施工を施せば雨漏りしません。どんな素材の屋根や外壁でも。下地のルーフィングがしっかり機能する敷き方をして、開口部廻りや役物部分を適正な雨仕舞施工をすれば雨漏りしません。しかし建物の周辺環境に応じた施工方法をしないと後々何らかのトラブルが起こるでしょう。山間部地域や河川敷付近の地域やグランド及び田畑付近の立地では枯れ葉や砂埃が雨漏りの原因になる場合があります。環境に応じた雨仕舞が必要です。これらの事を理解せず、通常施工する業者も少なくはありません。
  • 屋根裏や室内は暑くならないの?  新築時にGL鋼板材を直に施工すれば暑いです。しかし適正な通気層を設け断熱処理を施せば問題ありません。 リフォーム時にカバー工法を選択する場合屋根や外壁は2重層になるので何ら変わりはないと思います。予算に応じて断熱材入りの製品を選ぶのも良いでしょう。
  • メンテナンス時期や方法は?  基本的にガルバリウム鋼板の金属屋根や外壁は耐用年数が長くトタン板の場合は5~10年が目安ですが、ガルバリウム鋼板は10~20年とされています。これらの年数は材料の耐用年数であって雨漏りや不具合は別です。適正な施工を施せば20年以上は可能かと思います。役物部分の下地や木部の劣化のために釘浮きやビスの緩みが原因で不具合が発生場合があるので強風や台風などの前後日に目視確認して不安がある場合釘やビスの増し打ちや下地材の交換をされると良いでしょう。基本的には下からの目視で役物部分の異変を確認するだけで良いと思います。 災害後に飛散物等によりGL鋼板材が切れたり穴が開く事があります。その場合は早急に補修工事を行って下さい。雨漏りの原因と劣化を速めてしまいます。

絶対にやってほしくない事

  • 5~10年での塗装工事  ガルバリウム鋼板の屋根や外壁は耐用年数が長いとはいえ紫外線などの厳しい環境に晒されています。日当たり具合によっては色褪せが早く起きる事もありますが、製品の防水性には問題ありません。
  • 意味のないコーキング処置  雨漏りが発生しても原因箇所周辺をコーキング処理のみで済ませる業者がいます。それが適正な処置ならば問題ありませんが、余計に雨漏り被害を大きくする事があります。

この2点の共通している事、それは塗装工事です。もちろん一流の塗装職人さんでしたら分かり切っている事です。 しかし無知な営業をされている業者も多くいます。 「少し色褪せたから屋根を塗らないと長持ちしませんよ。」や「屋根を塗れば雨漏りは収まります。」などと言い屋根塗装工事を迫ったりする業者が存在します。 特に雨仕舞箇所や板金役物部分の余計なコーキング処理や塗料などで塞いでしまうと雨漏り被害が拡大したり、新たな発生原因に繋がります。雨仕舞はコーキングに頼らざるとも回り込んだ雨水を排出するように施工をします。なのでむやみにコーキングや塗料で塞ぐのはお勧め出来ません。 多少の色褪せは仕方がない事で避けられないのは事実です。 ですが、色褪せが生じたからといって鋼板が錆びるとか劣化が速まることはありません。 ガルバリウム鋼板の屋根を色褪せで塗装をした場合、ケレン作業の工程で鋼板の表面をキズ付けてしまい余計に劣化を速めます。また錆止めを塗り2度塗りしたからといっても塗装は長持ちしません。熟知した塗装職人さんならば分かってますが、「防水性に優れて長持ちする」をうたい文句を言っているのは塗料メーカーと営業だけです。  業者によっては塗装工事前の契約書に長期間保証や雨漏りに関する保証をはっきり提示していない場合や、うやむやにし逃げる可能性がある業者も存在します。

塗装工事を批判している訳ではありません。悪質とも思える営業スタイルの業者がいるのです注意してください。