屋根の色はどんな色がお勧め? 後悔しない選び方

今回は屋根の色について解説したいと思います。 皆さんのご自宅の屋根の色は何色ですか? また新築時にどの様な感じで決めましたか? 新築時の色の決め方とリフォーム時の色の決め方には違いがあります。 ご自身の好きな色を選択した場合の理想と現実の違いとギャップに驚かれる方も少なくはありません。 材質や屋根の形状と建物全体の形状も関係してきます。 敷地内から見るのと離れた場所から見るかんかくでは異なりますので、色選びのポイントをお伝えしたいと思います。

新築時とリフォーム時の色選びの違い

新築時とリフォーム時の違いは大きく分けて3点あります。①躯体の有無 ➁近隣と景観の変化 ➂選べる色の数 この3点ですが何となくはご理解されていると思いますが、お客様目線と職人目線では少し感覚が違いますのでご説明します。

新築時の場合

新築時と言っても新たに土地開発や造成工事が行われる地域(新興住宅地)などでは、今後どの様な街並みになるのか想像でしか思い浮かびませんので、どの方角からどの様に見えるのか不安かと思います。一方では家の建て替えや近隣に住宅が立ち並ぶ空き土地を購入し家を建てる場合はある程度の想像がつくかと思います。隣家との距離や日当たりの加減で見た目がガラリと変わります。躯体が無く図面だけで判断しなければなりません。外壁の色は外壁工事が始まる前までは変更が出来ると思いますが、屋根の色は棟上げ後の工程なので、屋根形状と使用屋根材の決定後は変更できません。  近隣の増加や景観の変化によっては後々自分の家に物足りなさを感じたり、個性的な主張が強すぎたと感じる方もいます。新築時の屋根材の色は瓦・スレート・金属 共に選べる色の数は数種類しかありません。黒系・茶系・赤系・グリーン系・シルバー系です。材質やメーカーにより異なりますが新品材は塗装工事をする事が出来ません。

リフォームの場合

リフォームの場合は既に十年前後住み続けているので周辺環境や自宅の見え方などが把握出来ているかと思います。屋根形状や日照状況による屋根の見え方や汚れ方建物の劣化状況などを精査して屋根の吹き替えなのかカバー工法なのか塗装工事を判断しつつ外壁塗装や雨樋工事の有無を決めます。屋根の葺き替えやカバー工法を選択する場合は新築時と同様に数種類の色しか選択できません。塗装工事の場合は外壁と屋根の塗り替えを同時に行えば100色近い色の数から選べますので屋根と外壁の色を個性的な組み合わせが可能となります。

色選びのポイント

  • 美観性  汚れやコケなどが目立たないか。屋根の形状にもよりますが、棟や谷や壁際などはホコリやコケだけではなく水垢が目立ちます。
  • 外壁との色の相性  外壁とのバランス(調和)を考えましょう。屋根は外壁程、目立つ部位ではありません。外壁と同色系統を選ぶ事をお勧めします。
  • 周辺環境に馴染むか   近隣住宅や街の景観などを考慮して、主張が強すぎず地域環境にあったカラーリングをお勧めします。  
  • 機能性を損ねないか  遮熱性と断熱性どちらを優先するか? 遮熱性=暑さの原因である太陽熱を反射し熱吸収を抑え熱放射を防ぐ事。・断熱性=内部に伝わってくる熱を小さくする事。

建物の形状は変える事は出来ませんが外装の色を変える事で雰囲気が変わり新鮮な気持ちになります。思い切ったイメージチェンジも良いでしょう、今まではおとなし雰囲気の家から少し主張を強めた感じや可愛らしい感じに変えるのも良いかと思います。ですが、一度変えてしまえば数年・十数年は付き合わなければなりませんので数年先の事を見越して検討しましょう。建物の形状又は屋根の形状や使用建材は流行り廃りがあり、十年前後で流行が変わります。屋根の形状であれば、寄棟屋根から切妻屋根で最近では片流れ屋根が人気にです。またサッシ枠や雨樋などでは茶色系から黒系そして白やシルバー系に代わり最近では茶色系に少し戻っている感じがします。それに伴い外壁や屋根の色も流行りの色の変化も早く、十年程前は明るい雰囲気の色が人気でしたが最近では少し協調性の強い雰囲気が増えてきました。白系の強い外観は数十年で黒ずんでしまい汚れや劣化が目立つからなのでしょう。

屋根の人気色

人気の色と言っても、地域やお施主様の年齢によって全く違います。都道府県別や市町村別に調べても異なります。茶色系が多い地域まあればシルバー系が多い地域もございます。大手ハウスメーカーか地元ハウスメーカーかでも推し色は異なります。(新築時)

  • ブラウン   ブラウン系の屋根の色は濃い茶色でも明るい茶色でも外壁の色をまるく納めてくれる感じになります。和風・洋風問わず優しい雰囲気になります。屋根の色に迷ったらブラウン系を選ぶ人が多いです。
  • ブラック ブラック系の屋根の色は印象深い高級感を演出しどんな形状の建物や屋根形状でも景観を崩さずスタイリッシュになります。 汚れ(水垢)が目立ちにくい。
  • グレー   グレー・シルバー系最近、新築でもブラウンに並んで人気が高い色です。ブラックでは暑さが気になるしつまらないと感じる方が選ぶことの多い色です。白色に近づく程、遮熱・断熱効果を損なわないが白色よりも汚れも目立ちにくい。(茶色系や黒系よりは汚れや劣化はめだちます。)大型構造物(S造)や工場などの折板屋根でグレーやシルバーが多いのも遮熱効果が目的な為でもあります。  
  • グリーン  お家の形や雰囲気を爽やかな洋風にイメージチェンジするのには最適でしょう。比較的どんな外壁の色とも相性よく馴染みの良い色です。
  • ブルー  清潔感のある仕上がりと寒色効果のあるブルー系ですが、濃いめの少し黒に近いブルーが好まれます。ブラック程ではありませんが適度な引き締め効果と清潔感を与えて汚れも目立ちにくい色です。

まとめ

屋根の色選びと言っても新築時とリフォーム時の屋根の吹き替えやカバー工法を選択する場合とリフォーム時の塗装工事では、選べる色の種類違いがあります。私は屋根工事業者ですので、葺き替え工事やカバー工法の観点から申しますと、全体のバランスを考慮しサッシ枠や雨樋の色と同系色を選んだ方が良いと思います。サッシ枠が茶色系で屋根の色が黒系やグレー系の場合、統一性がなくちぐはぐした感じになります。また遮熱効果を期待して白色を選ぶのはNGだと思います。塗装業者の観点は5~10年の目線です。外壁は屋根ほど雨水の影響を受けませんが、屋根は雨水を受け流れる部位なので、汚れ方が激しいです。3~5年ほどで水垢が目立ち5~7年でコケやホコリの固まりが目立つ様になります。屋根が暑いと感じるのは屋根裏の換気性・通気性に問題があるからです。断熱材入りの屋根材を使用したり、軒天通気や換気棟などで十分に対処出来ます。換気棟が標準装備になったのはつい最近ですので、もしかしたら暑いと感じるお宅は換気棟が使用されていないかも知れません。GL鋼板断熱タイプの屋根材で黒系・茶色系を選択すれば20年後迄屋根リフォームの心配はないと思います。